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異文化コラボで1+1を3にする~JAIST社会人セミナー【水曜学ぶでしょう】

JAIST社会人セミナー2018
地域人材育成セミナー
【水曜学ぶでしょう】第3回です。
6月27日開催の講座に参加したときの話です。

この日開催されたのは
「異文化コラボで1+1を3にする」。

講師は、永井三岐子さん。
国連大学サスティナビリティ高等研究所
いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット
事務局長を務めていらっしゃいます。
国外で環境分野を中心に国際協力と研究活動の
マネージメントに携わった経歴を経て
現在は金沢を拠点として、主に環境分野の
持続可能性に関する学術研究と政策提言の活動を
されておられるとのことです。
(以上、フライヤー紹介文を要約)

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今回受講を決めた動機は、JAISTセミナーでは
個人的によくある「副題に惹かれて」でした。
副題に ~違いを魅力に変えるコミュニケーション~
とありまして、自分と他者との違い...意見の違い、
ものごとの感じかたや考えかたの違い...
そういったものを如何に理解に努めて認められるか、
理解してもらって認めてもらえるか、
ひいては力を合わせて1+1を3以上にするのか、
そのヒントになることを知ることができないか、
というのが、自分にとっての最大の動機でした。

   *    *    *

現在のご職業、そして経歴。
それがあまりにも物凄く感じられて
これまでに参加してきたJAISTセミナーでは
かつてなかったほど、開始前に最も緊張して
しまっていました。

講師の永井さん。
かつて滞在し活動をされたモンゴルの衣装を
まとった姿で講義を始めていきました。
途中、しゃべってたら暑くなった...と
衣装を脱いでシンプルな出で立ちで続きを。

経歴の説明を経て(やっぱりとんでもなくスゴい!)
「そもそも文化って?」と、文化という言葉の
定義を確認するところから始まりました。

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文化とは...

 知識、信念、芸術、道徳、法、慣習、
 その他およそ人間が社会の構成員として
 獲得した能力や習慣を含む複合的全体
 (レジュメより引用)

と定義されているとのことです。

いや~、なんとなく漠然と感じていたよりも
遥かに広いんですね...
芸術、慣習、知識、あとは道徳も含まれる
こともあるかな、くらいにしか認識して
いませんでしたねえ。

だけども「社会の構成員として獲得した
能力や習慣を含む」と言われると、
ああ、確かにそういった、
普段から意識的にしろ無意識的にしろ
自分が触れている、為していること全般が
文化だと、腑に落ちる感じがしました。

普段食べている食事だってそうでしょう。
普段話している言葉だってそうでしょう。
国、地域ならではの独自の要素が
いろいろとあって、それが自分ごととして
自然に馴染んでいたり、別の場所のものが
異質に感じるもの。
それを「文化が違う」と言ったり思ったりする、
そういうことだと考えていくと、
先に引用したなんだか小難しい感じの定義も
当たり前のことを言っているんだなあとも
感じるのでした。

その「文化」。
もう少し具体的にみていくと...

 言語
 衣食住

といった、可視化される要素
このあたりはわりとよく「文化の違い」として
認識されやすいところでしょう。

ところが「文化」とはそれだけではなく、

 経済システム(政治行政も含む)
 社会規範(家庭・職場などの人間関係)
 宗教

といった、あまり可視化されない要素もまた
「文化」(永井さんの体験上の文化)である。

これら全体を「異文化体験」として捉えるのです。

   *    *    *

永井さんが留学され、就職されたフランスでは、
文化的価値観の2項対立を感じたとのことです。

 フランス的価値観
 日本的アイデンティティ

両者の文化の違いを体験され、
それぞれの言語(語学)に長けていれば
それで良いというものではない、と。

次にモンゴルへ渡り、環境問題などの
プロジェクトコーディネーターを務めた際には
当時、社会主義国であり市場経済が導入される
前のモンゴルの「文化」に触れて、今度は
かつて2項対立を感じていたフランスの文化と
日本の文化との共通点、当たり前の共通項
市場経済システム下の先進国、など~ に
気がついたということがあった、とのこと。

さらに、タイと日本の複数の機関同士が連携し
気候変動適応策プロジェクトに携わった際には
両国の政府関係者同士、研究者同士、技術者同士...
それぞれの立場同士では、国を超えて
「文化」を分かり合うのは比較的容易だったと
いうこと。

さらには、現在、石川県内という地域内でも
さらに複雑な関係者...政策立案者から研究者、
消費者や観光客まで..が、持続可能性のためにと
いう共通のミッションに向かって、
「異文化を越えて地域の価値を共に創る」
ことを目指しているということです。

   *    *    *

「文化が違う=価値観が違う」と言うと
なんだか相手を突き放す、排他的な
ニュアンスがありますが、そうではなく、
先に挙げた

 経済システム(政治行政も含む)
 社会規範(家庭・職場などの人間関係)
 宗教

といった、あまり可視化されない要素の違いをも
「異なるもの」と捉えるのではなく、
自分とは違うところに居る人の
ソーシャルキャピタル社会関係資本」と
見て、

 信頼
 (直接的な人間関係における信頼関係
  情報などの間接的な対象への信頼)

 規範
 (社会で共有されている道徳観念など)
 ネットワーク
 (相互のつながり)

を認知し合うこと。

「異文化」を「ソーシャルキャピタル」と
読み替えて共有することが、
異なる文化を持つ人間同士の協調を生む。

それには、さまざまな異文化・多文化、
当事者の事情・価値観、当事者を取り巻く環境を
理解、受容、活用し合う能力が求められるし、
多様な資源、資本を持ち寄った「協働」を
していくこと、また、それを評価すること。

『したいというだけでは、実現できない』

「違い」よりも「共通項」を見つける意識を
持って、ソーシャルキャピタルとして蓄積する。
それがあってこそ、異なる人間同士が協働して
1+1が3になるほどの効果を生むということ。

   *    *    *

さらには、異文化を深く味わい理解することは
自分が属する文化を多角的に理解することが
不可欠であるということ。
それには「リベラルアーツを再評価する」ことが
必要になるということでした。

リベラルアーツ...あまりよくわかっていません。
あらゆる分野のものごとを幅広く考える力の
ことだろうかとぼんやり思っていました...
それには「哲学」や「思想」の分野に親しんで
ものの考えかたや道理の幅を広げることかな、
と思っていましたが、そういうことだけでは
ないようです。

セミナーの後に、興味深いと感じた記事を
見つけたので残しておきます。
ここを取っ掛かりに知っていこうと思いました。

diamond.jp

   *    *    *

最後に、このセミナーを主催されている
JAISTの敷田教授からのコメントと
そこから感じたことを。

 文化とは「意味を説明する」こと。

 文化の変容を受け容れること。
 特定の文化のみを保全するだけではなく。

 独自性のある文化ほど、支援を共有が必要。

 グループ主義で内輪に閉じて対立するの
 ではなく、グループ間の「議論」
 「ディスカッション」の先にあるものへ
 向かう意識
を持つ。
 それが、文化の違いを越えて、
 1+1が3以上になる効果を生む。

講義の内容も簡単なものには感じなかったし
こういうことを柔軟に実践することも
なかなか思うに任せないでしょうけども、
多くの人やものごとに関心を持って、
その動きを持続させていくところから
はじめていくといいのかな、と感じました。

   *    *    *

JAIST(ジャイスト)とは、
北陸先端科学技術大学院大学」の略称です。
この大学自体は石川県能美市にあるのですが、
金沢駅前の日航ホテルに隣接する複合商業施設
「ポルテ金沢」9階に、金沢駅前オフィスとして
研修スペースが設けられています。

JAIST社会人セミナーは、
ここで、毎月後半の水曜日に開催されています。
事前の申し込みが必要ですが、受講にあたっての
前提知識や資格のようなものは特にありません
誰でも無料で参加することができます。

「地域人材育成セミナー」という別名のとおり、
ここでの学びを、自分自身の職場や生業に
展開して実践していくことによって、
地域の活性化に寄与することが主な目的では
ありますけども...

www.social-jaist.com

あまり敷居が高いものと捉えることはありません。
年齢も、30代・40代ではなくてもOKです。

毎月後半の、水曜日の夕刻から夜にかけて。
敷居の高い教育機関が提供する、気軽な学びの場。

そこでひとときを過ごして
学び楽しむのもなかなかいいものです。
人脈の広がりも期待できます。

あまり難しく考えずに、試しに如何でしょう?

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