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こころの処方箋

最近、ある学びの場できいた
あるひとことと、そのひとことを言った人。

しばらく忘れかけていたけれど、それをきっかけに
だーっと思い出したもの。

臨床心理学者・河合隼雄さんの「こころの処方箋」。
そして、その冒頭に書かれたコトバ。

人の心などわかるはずがない

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9年あまり前。
メンタルを病んで、はじめて長期休職を。
自宅での療養生活に入ってから、診断を受けた病名をキーに
しばらくは病気の内容を解説した本を何冊かあたってみて
どういう病気なのかということを、取り敢えずは知った。

それから手に取ったのが、この本。
こころを整えること、気持ちのもちかたを知ること。
そういう本をあたっていこうとしたときに、最初に読んだ本。

河合隼雄さんのお名前は、ロッキング・オンから刊行されていた
季刊誌(当時)・SIGHTの創刊号(1999年創刊)に
掲載されていた特集記事ではじめて見て、知ってはいた。
それで、さしあたって、と、選んだのだと思う。

で、「こころの処方箋」。
ページを開いてみたら、いきなり

人の心などわかるはずがない

こころの「処方箋」で、こころのことを知りたいと紐解くやいなや。

疲弊しきっていた心身にものすごい衝撃が走った。
臨床心理学の第一人者にして、冒頭にいきなり「わかるはずがない」。

これはロックだ!

いやマジで、そう思った。
その衝撃は、なにかの壁をガラガラとぶっ壊す爽快感。

このさらに数年前。
自宅を建てようと住宅会社をまわっていた時期に、
ある小さな工務店の営業さんに、はじめのあたりに言われた

まずは勉強してください

それ以来の衝撃。その後ジワジワ効いてくる爽快感。
(その後いろいろとハウスメーカー工務店を訪ねた末、
 結局、その工務店に自宅を造ってもらった)

それに似たものを感じたものだった。

閑話休題

とにもかくにも、この冒頭のひとこと。
それだけでかなり、なにか重苦しいものが一気に軽くなった感じがした。
そして、これは信頼に足る、そう直感して、読み進めた。

古くからの一般常識とされてきた観念、世間体。
臨床心理学の第一人者としての権威。
そういうものにはまったくとらわれない、
自由で、柔軟で、あたたかくて、やさしい、こころの処方55編。

全編に通底する土台として最も大切にされているのは
「普遍的な道理」「人間ならではの機微」。

そして

決して、わかった「ようなふり」をしないこと。
簡単に、わかった「ような気に」ならないこと。
ゼロか100かで結論を判断しきれない、グレーなところを
ていねいに、しなやかに、扱って、考えていくこと。
ときに逆説的に核心を衝いて、本質に気づいていくこと。

そんな、聴くひととしての在りかたを文章全体から感じられたからこそ、
全幅の信頼をもって噛み締めて、読みとおすことができた。

読み終わってからも、寛解・復活までにはとても長い時間が
かかったし、しばらくこの本からは遠ざかってはいたけども。

これからは、はじめて手に取ったときとはまったく異なる立場から
ふたたび、この本のお世話になろう。

間違いなく、これからの自分の糧になるはず。

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