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2017/12/20 フランチェスカさんのメゾソプラノコンサート@カトリック金沢教会

金沢のまちなかの教会で、イタリアのメゾソプラノ歌手のコンサートを。

金沢出身、地元で活躍されているソプラノ歌手・石川公美さんの
イタリア留学時代の同期門下生であったというメゾソプラノ歌手、
FRANCESCA ROMANA IORIOフランチェスカ・ロマーナ・イオリオ)さん。

金沢へ来日してベートーヴェンの荘厳ミサ曲を歌われる
大きなコンサートに先立って、教会で小さな無料コンサートを
開催されるというお知らせが、公美さんからありました。

公美さん、ベートーヴェンの第九と荘厳ミサ曲のフライヤーの
下の方に「これ!」って。
このフライヤー、実物を持っていましたけど、
こうやって差されるまでは全然気がつきませんでした...(汗)

公美さん直々にオススメ。
しかもピアノ伴奏に地元の大好きなピアニスト・田島睦子さん。

行きます!行きます!ふたつ返事。
水曜日なら平日の仕事帰りでも最も行きやすい。観てきました。 

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昔から何度前を歩いたことかわからないくらいだった、
カトリック金沢教会。はじめて入りました。

今年5月に東京へ出張したときに空き時間を利用して行った
コンサートの開催会場である教会は、建てものの出で立ちは
普通のビルのような感じ。
それ以外で教会らしい場所といったら結婚式場のチャペルくらい。

このような、如何にも教会でござい!という出で立ちの建てもの。
たぶんはじめてです。

カメラの露出、暗くしすぎました... 

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このコンサートでは、公美さんがナビゲーターを担当。
出演者の紹介と、曲の紹介をしていきます。

はじめはギターとのデュオで「3つのアリエッテ」。
ここでギターによる伴奏を担当した
Giovannni Cernicchiaro(ジョバンニ・チェルニッキアーロ)さんの
オリジナル曲。
静かな流れの小さな曲を3つ寄せた公美曲......じゃない組曲でした。

やさしく穏やかなはじまりの後は、オペラの中の歌曲の世界へ。
ここから伴奏はピアノに交代。田島睦子さんが登場。

ヴェルディビゼー、グノー、サン・サーンス、マスカーニ、
ロッシーニ。バラエティに富んだ曲のかずかずが目白押し。
特にフランスのオペラには、メゾソプラノやアルトの名曲が
多く揃っているのだそうです。

ビゼーカルメン」の、キャラクターの妙。
ヴェルディの歌曲の堂々とした王道の安定感。
マスカーニの「アヴェ・マリア」は、最も美しいメロディを持つと
言われる名曲「カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲」に
マスカーニ自身が詞をつけた歌曲。

ソプラノの華やかさとまた違った趣きの、
落ち着いたトーンのメゾソプラノの、暖かみを感じる歌唱。
華やかだったり、厳かだったり、ゆったりと和んだり。
人間が醸し出す機微をとてもよく感じさせられました。

後半では、公美さんも登場してソプラノを担当。デュオで数曲。
公美さんとのデュオはとても自然で、落ち着いた感じ。

そのなかの一曲。ロッシーニの「猫の二重唱」では、
おふたかたが猫の鳴き声でメロディを歌っていきます。
猫同士が争い合うときの表情とちょっかい出し合いのおもしろさに
客席から笑いが湧き起こります。

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田島さんのピアノも、曲が表現する世界の背景をとても上手く
感じさせる、心地よい伴奏を聴かせてくれます。
田島さんの音も、この端正な演奏姿も、大好きなのです。

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フランチェスカさん、ジョバンニさんと共に来日されていた
バリトン歌手さんとのデュオもあり。
最後はクリスマスキャロルの曲で穏やかにしめくくり。
(これ以降の写真は公美さんからご提供いただきました)

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つい1年ほど前までは、声楽はあまり馴染みがなくて、
好んで聴いてきたことはあまりありませんでした。

外国語の意味はわからなくても、歌手の表情や身振りから、
それぞれの歌の世界や、登場する人物の心境がよくわかる。
ここ1年ほど、公美さんのコンサートを中心にいくつもの歌曲を
生で観てきましたが、歌曲の楽しみどころはそういうところに
あるのだなと、この日あらためて実感しました。
そんな「声楽のたのしみ」に気づき、馴染みつつある感覚が
自分の中にできてきたのは、公美さんのおかげです。

フランチェスカさんの歌は、歌声の美しさもさることながら、
そんな「歌の世界」を、細やかに身体全身で表現されている。
それを感じることができたことにとても充実感を覚えました。

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公美さんがお入んなさいと言ったので...恐れ多くも末席に。

    *    *    *    *    *

ピアノの音色を教会の中で聴いたのは、これがはじめてです。
ホールでの響きとはかなり違って聴こえましたね!
やはり建てもののつくりによるのでしょう。
中低音がよく響き、高音部はあまり目立たない分、より一層
まろやかな響きに聴こえました。
ひとつひとつの音の「粒」は感じにくいけれども
音のつながり「響きの流れ」としては心地よく感じました。

田島さんのピアノはやはりここでも、教会での歌曲のステージと
いう条件や、共演者のキャラクター、ひとつひとつの歌の世界に
非常にフィットした響きを小気味良く聴かせてくれました。
ソロのときの硬派で辛口の演奏とはまったく違うスタイルです。

この、ステージのすべての要素を感じ取って、繊細に、的確に
ぴったりと合わせられる柔軟性、いわば「バヅクリの上手さ」。
こういうところが、田島さんの演奏に強く心惹かれるところでも
あるのです。

...ということを、田島さんご本人に伝えることができたことも
嬉しかったです。
田島さんの、一見ちょっとおどおど気味で控えめな話しぶり、
言葉の端々からも、とても鋭く繊細な感覚の持ち主であろうことが
見てとれました。
その人柄にも触れられて、ますますファンになりました。

最後に公美さんにもごあいさつを。
公美さんは、その歌声のとおりの明るい朗らかな人柄。
如何にも人好き世話好きな金沢のおねえさん!という感じ。

田島さんは穏やか。公美さんは朗らか。
持ち味の違いはあれども、どちらもとても素朴で飾らない人柄の
実力も素晴らしい音楽家。
こんなに素晴らしい音楽家が身近にいるということがとても
嬉しくて、これからも応援せずにはいられません。 

 

ロッシーニの「猫の二重唱」。
公美さん・フランチェスカさんのパフォーマンスではないけど
おもしろい歌ですよ!


Dueto de Gatos (de Rossini) - Pauline Tinsley y Elizabeth Vaugham - Año 1996.flv