Naruki.K's Radio Head

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2017/11/10 李彩霞 二胡リサイタル

中国・内モンゴル出身、金沢在住。
二胡の演奏や教室・普及活動をされておられる
演奏の素晴らしさもさることながら、とても
人懐っこくて暖かく、ユーモア溢れる人柄が
素敵な二胡奏者、李彩霞(リ・サイカ)さんの
リサイタル。

昨年10月の、来日20周年記念リサイタルで
はじめて演奏を聴き、終盤に涙が溢れに溢れ、
終演後にご本人を前にして人目憚らず嗚咽。
それまでの自分には到底考えられなかったできごと。
自分のものの感じかた、捉えかたや行動までも
変えはじめたほど、大きな影響を及ぼした
その日からの大ファン。

以降、何度かの小さな公演を聴きに行って、
ありがたくも、ご本人とも、お弟子さんとも
親しく交流させていただくまでになった、
そんな李さんの、久し振りのホールでの
リサイタル。

かねてより二胡の生演奏に触れることに
興味を持っていた東京の友人が
金沢を観光するにあたって、
このリサイタルにもと。ともに観てきました。

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会場は金沢市アートホール。
日航ホテル金沢に隣接する多目的施設
ポルテ金沢の6階にある、約300人収容の
やや小規模なコンサートホールです。

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今回のリサイタルでは、李さんの演奏での
ピアノ伴奏と言えばこの方という清水史津さん。
そして、揚琴奏者の張林さん。
3人の演奏によるものでした。

李さんの二胡はもとより、
今までに見たことも聴いたこともない揚琴という
楽器の響きを聴くという楽しみもありました。
今回もまた、ポピュラーな曲からオリジナル曲まで
とてもバラエティに富んだ盛りだくさんの内容。

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彩霞さんのオリジナル曲
「朝のひかり」「はるか」で幕開け。
二胡とピアノのデュオで、しっとり、ゆったりと。

喜多郎さんの曲「シルクロード」。
ここから揚琴が加わって、トリオでの演奏。
時折、揚琴の響きがピアノの音色に
隠れることもありましたが、
とても優しくて繊細な響きが感じられました。

はじめて耳にした揚琴の響きは
マンドリンをソフトにしたような感じ。
もともとはペルシャの楽器で、
約600年前にシルクロードを渡って
中国に伝わった楽器なのだそうです。
「揚=洋」「琴=ピアノ」。
外来のピアノという意味とのこと。

「赤とんぼ」夕焼けの空の帰り道。
家路へと急ぎ歩いた肩の後ろに
そよぐ風を思わせる、軽やかに消え行く
ピアノの余韻と揚琴の繊細な響き。
そこへ、巧みなアレンジで暖かい音色の
李さんの二胡
また涙が溢れてきてしまいました...。

やさしくあたたかく流れるような、
短めの曲が続いたの後は、
二胡と揚琴のデュオで、中国の壮大な曲を。
美しい娘の悲劇的な結末を描いた物語
蘭花花叙事曲」。
二胡で歌い上げられた激しく揺れ動く心情に、
揚琴が緻密で繊細な背景を描き込むかのような、
スケール大きな一大絵巻。

そんな心情の揺れ動きの余韻のような
「手掌心」「宵待草」「父の祝福」。
憂いと喜びが美しく入り交じるあたたかさ。

二胡で奏でられるとますます物哀しさが際立って
どうしても胸が締め付けられる、滝廉太郎の名曲
「荒城の月」。

エンニオ・モリコーネの映画音楽、
ポピュラーなクラシックの名曲。
こちらはとてもリラックスできる和やかな空気。
西洋の楽器で演奏されるよりも
もっと素朴な耳触り。
李さんの、曲の表情をわかりやすく際立たせる
演奏。

張林さんの揚琴のソロコーナーでは、
伴奏での繊細な音色に加えて
とても細やかで華やかなテクニックで、
遠くへ旅をするときに行き先へ思いを馳せる
高揚感を感じました。

彩霞さんの十八番「万馬奔騰」。
そして、アンコールでの「賽馬」。
前者は、悠々と、堂々と、
ゆったりと駆ける、貫禄溢れる馬。
後者は、自由気ままに荒々しく
いななきながら疾走する馬。
そんな大陸の大草原の風景が目の前に。

最後に、ふるさと。

 金沢は、ふるさと。
 これからもここでがんばっていきます!

李さんがいつも最後に朗らかな笑顔で
口にするこの言葉。
ほんとうにあたたたくて、うれしくて、
こみあげます。

 いまこれ書きながらまた涙が...いやマジで。

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終演後は、お弟子さんと顔を合わせて
少しだけでしたが談笑。

ホールのロビーを後にする前にも、
ちょっとだけ李さんにもごあいさつ。

彩霞さん。

 『また泣いたでしょ!? 目が赤いよ!』

そら泣きますがな!
反則なほどいい演奏やもん!

 

地元に生まれ育ってほぼずっといるのは
こちらのほうなのに、むしろ李さんのほうが
ふるさとのおかあさんみたいですやんか。

それほどまでにあたたたくて人間くさい
琴線に触れる二胡の音色。

自分も、この大好きな地元でがんばっていこう。
李さんの二胡をきくたびに
必ずそういう思いを強くするのでした。