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2017/11/21 オールチャイコフスキー!(ロシア国立ウリャノフスク交響楽団@石川県立音楽堂)

石川県立音楽堂にロシアの国立オーケストラがやってきて、
石川にゆかりのある若手女性ヴァイオリニスト、ピアニストが共演!

「オールチャイコフスキー!」。
全曲、最も有名なロシアの作曲家と言ってまず間違いないでしょう、
チャイコフスキーの曲で固めたコンサート。

曲目を見てみると...

 ピアノ協奏曲第1番 そして ヴァイオリン協奏曲

なんとまあ!
クラシック音楽を聴くおもしろさに目覚めた小学5年生の頃。
有名な曲から聴き進めていって間もない頃からずっと愛聴してきた、
クラシック音楽以外のさまざまな音楽に傾倒しても、嫌いになったり
飽きたりすることが一度もなかったほどの、大好きな大好きな曲。

どの演奏家・オーケストラでも構わない、一度は生演奏で聴きたいと
ジワジワと願い続けてきた超名曲にして、超有名曲。

しかも。

ソリストは、地元出身の新進気鋭のピアニスト・平野加奈さん。
そして、過去にいしかわミュージックアカデミーで腕を磨き、
現在ではアカデミーの講師も務めておられる、これまた飛躍著しい
ヴァイオリニスト・神尾真由子さん。

 やっとやっと
  ナマで聴ける!
   しかもいっぺんに!
    これはおいしいぞ!

外国のオーケストラの公演だけあって、やはりチケットがお高い...
お値段抑えて3階のB席を確保。当日、ホールへ向かいました。

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石川県立音楽堂の3階席。さすがに距離があります。
しかしこの見晴らしの良さは、フルオーケストラの全体の様子が
とても見やすくて、なかなかよいものです。
音の聴こえ具合も、自分にはそれほど気にはなりません。
充分、生の音楽と、音が響くときの空気感を楽しめます。

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オープニングは、オペラ「エフネギー・オネーギン」からの曲。
ホールいっぱいに響き渡るトランペットの華やかなファンファーレ!

この曲を聴いたことはありませんでしたが、ステージの幕開けに
気分を勢い良く盛り上げる、オープニングにとても似合う曲。
ポロネーズポーランドが起源の、3拍子の舞曲形式)の
堂々としたリズミカルさが、コンサートのワクワク感を掻き立てて
くれます。

曲の中間部では、チャイコフスキーらしい憂いたっぷりのメロディが。
中低音部の弦楽器の、力強くて分厚い響きがとても印象的。

    *    *    *    *    *

続いて、ピアノ協奏曲第1番。
全体的にややゆったり目のテンポで曲が進んでいきました。
平野加奈さんのピアノは、雄大なパワーには欠けるものの、音の粒の
ひとつひとつはとてもクリア。
エモーショナル過ぎず、かといって決して素っ気ないこともない、
しなやかで丁寧に弾き込む、好感が持てる演奏。

平野さんの演奏は、アーティキュレーション...いわゆる抑揚や強弱、
さらには間のとりかたが、自分にはとても心地よくしっくりときます。
自分の中にあるピアノ曲の感覚にとても近くて、ノれるのですね。

曲の終盤、第3楽章のフィナーレ。
どのオーケストラの演奏で聴いても、必ず気持ちがグーっと高揚する、
ギューっと締めつけられる、あの盛り上がり!やっぱり素晴らしい!
大感動!

平野さんはやはり素晴らしいプロスペクト。
これからもっともっとよいピアニストに成長していくでしょう。

    *    *    *    *    *

休憩を挟んで、ヴァイオリン協奏曲。
神尾さんらしい、非常に華やかに歌い上げるような、勝ち気な音色の
ヴァイオリン。フレーズ同士の間合いは短めか、ほとんどなし。
矢継ぎ早に次へ次へと弾き込んでいく。
8月のいしかわミュージックアカデミーでの特別公演でもきかれた、
スケールの大きな曲で際立つ、メリハリ鋭くコントラストの強い演奏。
これが神尾さんの持ち味なのでしょう。

この曲では、第2楽章、そしてそこから切れ目なく続く第3楽章が
特に素晴らしかったように感じました。もの悲しさから激しさへ。
神尾さんの持ち前がこの曲の後半にはとてもよい効果をもたらして
いたように感じられました。

    *    *    *    *    *

アンコールは3曲。

まずは神尾さんのヴァイオリンソロ。パガニーニカプリース24番。
強いタッチでテクニカルな曲を弾きとおす。

つづいて、オーケストラの大盛り上がり。ロシアの熱さ大炸裂!

ハチャトゥリアンの超有名曲・バレエ組曲「ガイーヌ」の「剣の舞」。
これもまた、自分にとっては、ラヴェルボレロと同じく、
クラシック音楽にハマったきっかけとなった、思い入れのある曲。

最後の曲は、はじめて聴いた曲。
曲名はわからずじまいでしたが、とても痛快な締めくくりでした。

    *    *    *    *    *

ロシア国立ウリャノフスク交響楽団
弦楽器の分厚さが非常に印象的に残りました。
ヴァイオリンパートの高音部は華やかさを抑えめに、
ヴィオラ・チェロ・コントラバスの中低音部がすごく重厚。
管楽器は表に出過ぎず、程よく控えめに。
ロシアの雄大で重厚なイメージを彷彿させるような雰囲気を感じました。

全体的な響きは、やや大味な印象。
若干締まりに欠けるところがあったように思います。
引き締まった整然さを求めるなら、オーケストラ・アンサンブル金沢
ほうに分があるように感じましたが、これがロシアのオーケストラの
特色でしょうか。

スッキリと小気味良く引き締まったオーケストラの響きが好みなので、
この日のウリャノフスク交響楽団の演奏はやや重たく大味に感じました。

このあたりは、どんな味わいを好ましく感じるかで評価が分かれますね。
演奏する曲によっても違ってくるでしょう。

それでも、音楽を聴くことにハマりはじめた当時から聴きまくって
親しみ続けてきた曲を一気に生演奏で味わえた!
そのこと自体がとても嬉しいコンサートのひとときでした。

    *    *    *    *    *

終演後、音楽堂のロビーで、この公演を観にきていた地元の若手演奏家
ヴァイオリニストの根来かなうさんと、フルーティストの多田由実子さん。
仲良しコンビのおふたりに偶然出会って、ちょっとした会話を楽しめた
ことも嬉しかったです。

子どもの頃からの楽しみが、いまこういう形で地元で続いている。
地元出身のすばらしい演奏家もまた、自分たちと同じように、
ここで音楽を聴くことを楽しむ。
そんな、ステージでの姿とは違った、普通の素顔の姿が垣間見られる。
そんなところで音楽に親しめることにも、とても大きな幸せを感じました。