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2017/12/13 加賀友禅特使ユニット「Kotoha」デビューコンサート

加賀友禅特使ユニット「Kotoha」
 デビューコンサート&加賀友禅大使着物ショー

横笛・箏の和楽器2種とハープのトリオユニットの初お披露目。
そして、加賀友禅大使がモデルとなって、加賀友禅の着物作品を
お披露目するというコンサートイベントです。

横笛奏者・藤舎眞衣(とうしゃまい)さん、
箏奏者・北村雅恋(きたむらがれん)さん、
そして、ハープ奏者の上田智子さん。
いずれも地元で活躍する演奏家によって結成されたユニットが
「Kotoha」です。

言葉を羽のように伝えるイメージを、女性トリオらしく軽やかで
柔らかい3文字の響きでと名付けられた「Kotoha」
今後、加賀友禅特使として、金沢の伝統文化である加賀友禅のPRを
演奏活動を通して展開されます(おそらくそういうことではと...)。

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地元で非常に活発に音楽活動をされているハープ奏者・上田智子さん。
今年の4月、ご本人の後援会主催のミニコンサートを観に行ったときに
感想を直接お伝えしたことをきっかけに知り合い、それから何度か
生演奏を聴きました。
10月に金沢市民芸術村で開催された、上田さんが出演された演劇公演の
終了後、このコンサートのお知らせとお誘いを直々にいただきました。

藤舎眞衣さんの生演奏に触れるのはこれが3度目。
北村雅恋さんの生演奏ははじめて。
以前から聴きたいと思ってきた念願、ようやく訪れました。

上田さんのハープ演奏が金沢の和楽器とどのように調和するのか?
強く興味をそそられて、会場の北國新聞赤羽ホールへ向かいました。

赤羽ホールへ入ると、やっちゃいます。
ミラーになっているロビー天井を仰ぎ見てのショット!(汗)

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Kotohaの演奏だけではなく、加賀友禅大使による着物ショーと、
加賀友禅特使の陶芸家と茶道家(兄弟)のトークも織り交ぜられた
金沢文化もりだくさんのステージでした。

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Kotohaのデビューステージ。
これが想像を遥かに上回る素晴らしさ、美しさでした。
ハープの響きは横笛と箏の和楽器にとてもよく調和して「雅やか」と
いう言葉がぴったり。
現代の金沢の空気感が見事に表現された名演!と言うべきでしょう。

はじめの「祈」の部。
このコンサートのために上田さんが作曲した「加賀友禅」で幕開け。

金沢のまちなかを流れ通る犀川浅野川
どちらもあまり大きくはない、穏やかに流れる川。
殊に、女川と呼ばれて、伝統の友禅流しが今もなおみられる浅野川
あの光景が眼前にくっきりと浮かび上がるかのような曲調と響き。

 ハープは、穏やかに揺れて輝く川の水面の如く。
 箏は、川沿いのまちなみやそこに吹くそよ風の如く。
 横笛は、まちなみをゆるり歩き往く人の軽やかな気持ちの如く。

浅野川のそばで育ったという上田さんだからこそ、これほどまでに
リアルに音に情景を織り込めたのでしょう。
どこまでも奥ゆかしくやさしい響きを湛えた演奏ともども、
金沢の歴史に永く残り続ける「名曲」であって「名演」と確信しました。
これはもう全国に、いや、世界に誇れるくらいではないかと......。

シンプルで静謐なアレンジと演奏の「アメイジング・グレイス」。
ハープ・箏・横笛で演奏されるユニークさがなんともたまらない。

静かながらも、夜空を自由に飛び交い気ままに旅するかのような、
複雑な場面の移り変わりが印象的な「星空への想い」も魅力的で
とてもおもしろい曲調・演奏でした。

中盤の「冬」の部。
「雪ものがたり」では、雪がしんしんと降りしきる夜の金沢の小路、
雪の降る日の、あの独特の冷たく湿った空気。地面にそっと落ちる粉雪。
雪を舞わせる風。葉の上を滑り落ちる雪。
そんな冬の光景が眼前に迫るような、情緒豊かな演奏。

ヴィヴァルディの「四季・冬の第2楽章」と、「きよしこの夜」。
冬のヨーロッパの暖炉の部屋から窓の外へ目を遣ると、夜の灯りが
ほんのり灯る金沢のまちが見えました...という雰囲気。

中島美嘉さんの名曲のアレンジ「雪の華」。
エモーショナルなメロディが、和楽器とハープで奏でられると
非常に奥ゆかしい響きを伴って新鮮な感覚。

終盤の「和」の部。
「祭花二番」という曲では、雪融け時期の春の予感を匂わせる響き
感じられました。
舞台左手から響く低い太鼓のリズムが大地の生命感を漂わせます。

それぞれの部では、ソロ演奏も1曲ずつ。

横笛のソロは、藤舎さんのオリジナル曲「三日月の宵」。
伝統曲で見せる、風を切るような鋭い響きはここでは控えめに、
虚空の暗闇に浮かぶ三日月の光が暗闇を柔らかく照らすような
終始やさしく柔らかい横笛の響きが素敵でした。

北村さんの箏のソロ「神仙調舞曲 羽根つき」。
箏ならではの雅やかで華やかな音色のつづれ織り。
多彩な演奏テクニックも、とても目を楽しませてもらえました。

そして、上田さんによるハープのソロ「ROKUDAN」。
極めつけの熱演。
シルバーとグリーンの加賀友禅を羽織って縦横無尽にハープを爪弾く
上田さんの姿は、さながら竜宮城の乙姫かという見事な美しさ。
ところが曲は、和のテイストを非常に強く感じさせる雅やかな響きに
前衛的でスリリングな展開と、「そんな鳴らしかた、あり!?」と
驚くほどの奇想天外な奏法と音色の応酬。
ハープの可能性を突き詰めたかのような、とんでもなくすごい曲。
4月のミニコンサートで初めて感じた衝撃がここでまた聴くことが
できて、とてもおもしろかったですね!

    *    *    *    *    *

そんなKotohaの演奏の間にお披露目。加賀友禅大使による着物ショー。
恥ずかしながら、加賀友禅の着物をじっくりと観るのははじめてです。

次々と登場する、淡い和の色合いの着物。
濃い色合いの着物もとても落ち着いた風合いで、それらの色合いを
背景にあしらわれた草木や花、文様はくっきりと鮮やか。
それでいて主張しすぎない穏やかさが感じられました。

幾何学模様と季節の花の組み合わせに、和と洋のとても自然な融合。
ひとつの着物に、ひとつの世界・物語が描かれて表現されている
あろうことも、そこはかとなく感じられました。
そういう意味合いを知った上でじっくりと観ると、より一層味わい深く
観ることができるのでしょう。

陶芸家・十一代大樋長左衛門氏。茶道裏千家奈良宗久氏のトークコーナー。
兄弟揃ってステージでトークをするのは珍しいそうです。

金沢は、着物・工芸・食など、伝統の文化が日常に根付いていて、
身近に歴史を想うことができる街。
戦災に遭わずに古くからの街並みが残っていること、四季の変化がとても
はっきりしていることが、そのような風土や精神性を受け継がせている。

そんな流れのお話をききながら、大切なもの、貴重なものを、使うのを
もったいながってお飾りにするのではなく、日常で「つかう」こと。
それによって、そうしてこそ、「ものや所作を大切にして、慈しむ」
意識も芽生えて、身に付いていく。
そういう営みそのものが「文化」であるのだという思いを強くしました。

    *    *    *    *    *

伝統と現代。ClassicとModern。
両者の幸せな出逢い。調和。

外からの良いものを柔軟に取り入れて、古くからの伝統と融合させて、
新たなオリジナリティを創り出す。
このことはなにも今に始まったことではない。
現代だから始めることができた新たな試みではない。

「伝統への敬意と、新しいものへの好奇心・寛容に受け入れる柔軟性」

その精神性こそが、古くから脈々と受け継がれてきた文化であって、
金沢という街は、昔も今もそのことを大切に受け継いできた街なんだと
いうことを感じました。

金沢のそういうところが、地元に生まれ育った人間として誇らしいです。

    *    *    *    *    *

ステージが終わってホールを出ると、
ロビーの大きなガラス張りの壁の向こうには、暗闇に雪が舞う光景が
広がっていました。

そんな雪の夜の街並みを、金沢駅まで歩いた20分あまり。
気持ちも心もいつも以上に弾んで、風の冷たさすら心地よいものでした。

 

今年観た上田さんのステージのこと。

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今年観た藤舎眞衣さんのステージのこと。

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