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趣味語り:バロック音楽 #02 古楽アンサンブルコンサート(2017/11/26 梨ばろっこ in たこはんの寺)

ここ2年近くの間に、地元の、主にクラシック音楽のコンサートへ
足繁く通い、多くの生演奏に、そしてときには演奏家の人となりにも
触れるようになってきましたが、その中でもなかなか生で聴く機会の
少ない「古楽」。

ほぼ1年ぶりに、その「古楽」の生演奏を至近距離で聴き味わって
陶然としてまいりました。

古楽」というのは簡単に言うと...

 おおよそ16世紀から18世紀あたりまでの時代の、
 バロック音楽を中心としたクラシック音楽の曲を、
 その当時に使われた楽器、あるいは同等の材質と構造で
 復刻した楽器を用いて演奏される音楽

であると、おおよそイメージしてもらえるといいでしょう。

富山県の北西部・氷見市の中心部にある「たこはんの寺」にて、
古楽ユニット・アンサンブル30のコンサートシリーズ
「梨ばろっこ」をはじめて観に行きました。

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はじめて古楽の生演奏をじっくりと味わったのは、2016年12月。
富山市で、富山古楽協会の会員のみなさんの演奏会を観たときでした。
rcs4naruki.hatenablog.com

このとき以来の、古楽の生演奏を味わう機会なのでした。
そして今回は、このときとはまた異なり、5人だけのアンサンブルを
小さな会場でじっくりと味わう絶好のチャンス。待ち焦がれましたね!

たこはんのお寺。正式には「白藤山光照寺」といいます。
お寺の規模としてはそれほど大きくはない、如何にも「地域のお寺」と
いう風情ですが、正門を入って右手にある円い形状の白い建物が
独特の雰囲気を醸し出しています。

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この建物がコンサート会場でした。
本来は「納骨堂」なのだそうですが、中へ入ってみると、そういう
暗いイメージをまったく感じさせません。ほんわかとした雰囲気。

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この日は、スペイン・イタリア・フランス・ドイツ。
いろいろな国のバロック音楽が取り上げられました。

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この日演奏された曲はどれも、明るめのほんのりと暖かい曲調。
起伏の激しいドラマチックさ複雑さはあまり感じさせないけれど
活き活きと弾むような曲を多く味わえました。

中に「王様を眠らせるためのトリオ」という曲がありますが、
むしろ目覚めにちょうどいいくらいじゃないかというほどの
明るくて小気味よいテンポの曲...と思っていたら、
ここで演奏されたのはごく一部であって、全体は50曲ほどから
なる長い長い組曲なのだそうです。
「長さで眠らせるんかい!」とツッコミたくもなってきますが、
マジメな話、とてもよい曲でした。

 

あたかも、数人ほどの親しい友達同士の小さな輪で穏やかな会話を
気さくに交し合うかのような雰囲気を感じさせるハーモニー。
ロマン派(ベートーヴェン以降)の時代の音楽のように、人の内面の
心情を吐き出す、さらけ出すかのような「主張する」雰囲気とは違う、
ちょっとした言葉と気遣いを渡しあうような感触の、音色の絡み合い。

これこそ、古楽器ならではの暖かく柔らかくほっこりとした響き。
各楽器の調和が絶妙で、どこまでも優しく柔らかいのです。

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木製のリコーダーは、学校で使っていたプラスチック製のリコーダーと
形はほぼ同じですが、それよりも遥かに柔らかくてまろやかな響き。
30分ほど連続して吹いていると音程が狂ってくるのだそうです。
おそらく管の中に流れる湿気が口径を変化させてしまうのでしょう。

フラウト・トラヴェルソ。通称「バロック・フルート」。
パッと見は東洋の能管か篠笛か、というくらいシンプルな横笛。
縦笛であるリコーダーをそのまま横笛にしたような、フルートの原型。
木製のリコーダーよりもさらにソフトなタッチの、非常に柔らかい
ほんわかした音色が特徴です。

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バロック・ヴァイオリン。
現代のヴァイオリンは金属製の弦が張られていますが、
バロック・ヴァイオリンは、ガットの弦が張られています。
弓も、現代のものとは形状も長さも違います。張力も弱いそうです。
音量はあまり大きくは出ませんが、とてもすっきりとした、素朴で
明るい暖かな響きがします。

この日の演奏は一音一音がとても伸びやかでクリアに聴こえました。
強い音も耳当たりがとても優しいのです。

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ヴィオラ・ダ・ガンバ
大きさや音域はチェロに近いですが、7本の弦が張られていて、
ネックにガットを巻いてフレットが施されています。
楽器の構造としてはギターに近いということです。

現代のチェロよりも、かなり渋くくすんだ響きがします。
チェロが朗々と歌う感触なら、ガンバは訥々と語るような感触。
音と音の途切れ目・間がとてもソフトで穏やかで、独特の風合いが
とても好きなのです。

これらの柔らかな響きの楽器たちを支えるのが、チェンバロ
キラキラシャキシャキとした爽やかな音色でリズムと伴奏を刻んで、
全体の響きに小気味よいアクセントと弾みをもたらしてくれます。

これらに加えて...
1曲目のスペインの曲では、ガンバ2本とチェンバロのみの演奏に、
ステージ右手に座って待機している廣田さんが、ヴァイオリンを
ギターのように横たえながらピツィカート(弦を指で弾く)奏法で
小気味よくアクセントを付け加えていきました。
その隣りでは丸杉さんが手拍子でリズムを。
こういう、即興のような手作り感をも感じられるのも古楽ならでは。

 

若いメンバーの、ヴァイオリンの廣田さん、ガンバの折口さんが
とても楽しそうに演奏していた印象が非常に際立っていました。

廣田さんはとても柔らかい物腰、優しい表情で充実の笑みを。
折口さんは曲が終わる度に見せる「やった!」というスマイルが
とてもチャーミング。茶目っ気たっぷりの人柄が現れていました。


終演後、丸杉さん、廣田さん、折口さんが、それぞれの楽器の
特色を教えてくださいました。
目にする機会が少ない古楽器を間近で見られたこともまた
とても楽しくて、貴重なひとときでした。

このコンサートの存在を教えてくれた、友人の麻衣子ちゃん。
おかげで、これから、古楽器の生演奏に継続的に触れられるきっかけを
得ることができました。ほんとうにありがとう。

ご案内をいただきました皆口さん。
安岡さんをはじめ、出演者の皆さま。
貴重な機会と気さくな対話をどうもありがとうございました。

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