Naruki.K's Radio Head

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2017/10/13 山田貴子ピアノトリオ@福井・武生

福井県越前市(旧武生市)。
JR武生駅の近くにあるジャズ喫茶
「Cafe Rag Time Classics」。

ここで、首都圏を中心に活動されている
気鋭のジャズピアニスト・山田貴子さんの
ライブを観てきました。

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ことしの5月、金沢のジャズ喫茶「もっきりや」で
開催された、ピアノ・ヴィブラフォン・チェロという
異色の編成のジャズトリオ「やまや」のライブ。
このときにはじめて、貴子さんの鮮烈な演奏に
触れたのでした。

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7月に東京へ出張したときに、
貴子さんが出演されるライブの日程と
自分の行動予定がたまたま合致したのを
きっかけに駆けつけたのが2度目。

このときの演奏も素晴らしく、
とてもおもしろい響きを楽しみました。
首都圏のジャズ喫茶でライブを聴くのは
はじめてだったということもあって、
とても思い出深く忘れられないひとときに
なったものでした。

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それ以来3度目。貴子さんの生演奏に触れる機会。
7月のライブを観に行く数日前に、
ご本人からメッセージが。

 10月にライブで福井へ行きますので
 こちらも是非!

ポーランドの凄腕ドラマーと
一緒に演奏をするという話でした。

 とてもおもしろい演奏をする
 凄いドラマーなんですよ!

金沢でのライブだったらよかったのになあ、
絶対に行くのに、と思いつつも、
その後もずっと気に掛かり続けていました。

3日前になって

 これはやっぱり観ておかなならんやろ!

と決心。
確実に行ける目処も着いた!
貴子さんへ連絡しました。

 まいど!チケット一丁!
 あいよ!チケット一丁!

いやそんなふうには言うはずもなく......

当日のお昼過ぎ。
金沢のまちなかからクルマでシタミチを
走らせること2時間あまり。
一旦、武生中央公園へふらりと立ち寄って
ひとやすみしてから...

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暗くなってから足を運びました。
「Cafe Rag Time Classics」

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もともとは古民家か商家だったのでしょうか。
白い塗壁と無垢の木材、吹き抜け。
とても好みの空間!
2階が楽屋スペースのようで、準備時間中に
出演者が行き来するのが見られるのもまた
アットホームな雰囲気がしていいものです。

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開演時刻になり、ピアノの貴子さん、
ベースの小美濃悠太(おみのゆうた)さん、
ポーランド出身でデンマークコペンハーゲン
在住のドラマー・Albert Karch
(アルベルト・カルフ)さんの3人が登場。

小美濃さんは7月の東京でのライブでも
ベースを演奏していました。
今回は小美濃さんが主にMCを担当。
ライブとトークを進行します。

「山田貴子ピアノトリオ」という名前では
ありますが、ドラマーのアルベルトさんの
プレイを大々的にフィーチャーした、
ヨーロピアン・ジャズ色満載のライブ。

これが予想を遥かに上回る...
なんてものではない、想像を絶する凄さ!

とても小さくてシンプルなドラムセットから
叩き出していることが信じられないほどの
豊かで多彩な響き。
鋭く、緻密で、繊細で、
激しくもありながら丁寧な優しさも。

精密な細密画の風景が視界を次々に横切り
続けていくかのようなドラムの響きに、
最初から最後まで驚かされっ放しでした...。

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こんなふうに線が細くて華奢な体格の、
あどけない表情の若い青年が叩き出しているとは
到底信じられないほどの、テンションの高い響き。
ベースの小美濃さんとの間合いを伺い、
呼吸を合わせる視線もまたもの凄く鋭い。
張り詰めた緊迫感が目からも耳からも
ビシビシ伝わる。

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そういう、もの凄いテクニックと
緻密な刺激に満ち満ちたドラムにも
ベースの小美濃さんとピアノの貴子さんは
全く喰われることもなく
時には引き立て合い、時には対峙して
火花を散らし合う。

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【前半】

 1. 桜咲く日に(小美濃さんのオリジナル曲)
  深く澄んだピアノ。
  繊細で緻密でメロディアスなドラム。
  桜の花びらが静かな水面に落ちたときの
  かすかな波紋のさざ波。

 2. Eposs(RGG Trio)
  ヨーロピアンジャズ界最左翼の
  アヴァンギャルドなバンドの曲で、
  そのバンドの「現在よりはメロディが
  あったとき」の曲とのこと。
  ドラムの音色やフレーズは
  とてもクリアで鋭いのに暖かい。

 3. タイトルなし
  (小美濃さんが数日前に書いたばかりの
   オリジナル曲)
  詩的で静謐で、幾何学的なリズムと
  メロディパターンではじまり、
  ジャズでもありロックでもあるような、
  その両方を軽々と超えた遥か先に
  到達したかのようにも感じられる勢いに
  なだれ込んだ、超絶スリリングな音楽。
  もの凄く緻密で複雑な、
  力強くも繊細なリズムにただただ大興奮。

 4. タイトルなし(貴子さんのオリジナル曲)
  ドラムを主役に据えた短めの曲。
  ベースの小美濃さんとピアノの貴子さんが
  しっかりと脇を固めて
  ドラムの躍動感を際立たせる。
  主役に立っても脇役に回っても
  それぞれの素晴らしさを発揮。

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【後半】

 1. Rosemary's Baby
   (クシシュトフ・コメダ
  同名の映画音楽から。
  原曲を聴いたことはないけれど、
  3人のスリリングなインタープレイ
  冴えわたる。

 2. Rememberance
   (貴子さんのオリジナル曲)
  大切な記憶を丁寧に辿るかのような、
  叙情的でエモーショナルな、
  日本的な響きのメロディ。
  ドラム、ベース、ピアノがそれぞれ
  「肩を寄せて語り合う」かのような、
  繊細な響きの絡みが印象的。

 3. Miyako
  (アルベルトさんのオリジナル曲)
  アルベルトさんの深い思い入れが
  込められたという短めの曲。
  東洋のとも西洋のとも言い難い、
  神秘的な雰囲気の響きが印象的。

 4. Waltz for eber(北欧ジャズの曲)
  「ワルツ」という言葉が連想させる
  優雅な雰囲気を木っ端微塵に
  吹っ飛ばすかのような、
  最後の熱い熱い大盛り上がり。
  濃密なインタープレイの極致。
  音の格闘。最高潮のヴォルテージ。

【アンコール】

 December(貴子さんのオリジナル曲)
  雪道を静かに歩いていくかのようなピアノ。
  街路樹の連続が前から後ろに
  流れていくかのようなベース。
  細かく眩しく煌めくダイヤモンドダスト
  ようなドラムのシンバルワーク。
  歩調と景色の移り変わりが
  次第にシンクロするかのような、
  非常に繊細な響き。

とてもマジメで実直な人柄を感じさせる
小美濃さん(貴子さん曰く「おみのっち」)のMC。

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貴子さんがMCのときに見せる
リラックスした素顔。演奏のときは全く別人。

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普段あまり聴き慣れない、
生演奏ではもっと触れる機会の少ない
ヨーロピアンジャズの響きを存分に堪能できた
貴重なひとときでした。

3人がそれぞれ、ひとりひとりの持ち味を
存分に生かしつつ、引き立て合いつつ、
遠大な風景の流れを描き上げていくかのような
イマジネーションを掻き立てられる
音のつづれおり。

Cafe Rag Time Classics の
室内の音の響きも最高に美しい。
ジャズなのだけども既成の枠を軽々と超越した
それでもなおかつ人の温もりやユーモアをも
鳴り響く音のひとつひとつから
醸し出されていることを感じさせてくれた
素晴らしいライブでした。

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凄腕ミュージシャンも、
ステージが終われば至って普通の人たち。

伏し目がちになってしまった
とってもシャイなアルベルトさん。
えくぼスマイルがいつもかわいらしい
貴子さん。
実直な好青年の小美濃さん。

気軽に感想やお礼を伝えたり、
気さくにゆるーいトークで交流を楽しめることも
このような小さなスペースのライブならではの
魅力です。

翌日の、自分にとっての大きな大きな第一歩を
踏み出す直前に、とても前向きな挑戦心を
膨らませてもらえたひとときになりました。
思い切って行って、ほんとうによかった。

ありがとう!
アルベルトさん、貴子さん、小美濃さん!

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その小美濃さんは、アルベルトさんと
プロジェクトを立ち上げています。
ツアーとアルバム制作にあたって、
クラウドファンディングで支援を募って
おられます。

わたしも、おふたりの素晴らしい才能に
敬意を表して、いくばくかの支援をしようと
思っています。

これほどまでに新たな響きを開拓し、
挑戦されている音楽家の方々を
自分たちの手で支援することができる。
そういう幸せの輪が広がることを祈って。

www.kickstarter.com

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そして貴子さんは、さらに精力的に
多彩な演奏活動を展開します。
こちらも是非ご注目を!

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