Naruki.K's Radio Head

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2017/9/23,25 駅なかコンサート/ランチタイムコンサート

お彼岸どき。金沢駅コンコースに響き渡るクラシック音楽
そして、石川県立音楽堂でのお昼のミニコンサート。

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金沢で声楽を聴くとなるともうすっかりお馴染み。いろいろな形態の
ステージで多彩な活躍をされているソプラノ歌手・石川公美さん。
昨年のリサイタルから今年の音楽祭にかけて、何度か演奏に触れた
ヴァイオリニスト・坂口昌優(まゆ)さん。
ドイツ留学から帰国して間もない、地元を拠点に活動を始めたばかりの
新進気鋭のピアニスト・平野加奈さん。

そんな地元の音楽家3人に加えて、ときどきテレビでも音楽番組や
コーナーに出演されることもある作曲家・青島広志さん。
青島さんとの活動を多くされておられるテノール歌手・小野勉さん。
このおふたりは地元出身ではありませんが、ゴールデンウィーク時期の
金沢のクラシック音楽祭『風と緑の楽都音楽祭』で大活躍をされていて
お馴染みの存在でもあります。
(『ラ・フォル・ジュルネ金沢』の頃から引き続き活躍されています)

そんな方々が音楽堂ホールに一同に会するランチタイムコンサート。
おもしろくないわけがないだろうというものです。
1時間ほどの小さなステージながら500円!ワンコイン!
価格的にもおいしすぎます。

そのランチタイムコンサートと、2日前に金沢駅コンコースで開催された
石川さん・坂口さん・平野さんによる無料ミニコンサート。観ました。

エキコン金沢

いい天気の秋分の日、観光客がたくさん行き来する金沢駅コンコース。
金沢百番街沿いの中央あたりに、小振りなグランドピアノが置かれて
ステージのスタンバイがされていました。

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開演前にちょっと撮影していましたら石川さんが「やあやあ」と。

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駅構内特有の雑踏の中、いくつかのポピュラーな曲が演奏されました。

石川公美さんの華やかな目鼻立ちのイメージそのままな、
くっきりと鮮やかなソプラノ。
坂口昌優さんの、小柄で華奢な身体つきからは想像し難い、
太くて力強いタッチの、強気な音色のヴァイオリン。
平野加奈さんのあどけない印象に似合わぬ(いい意味で)安心して
聴いていられる落ち着いた心地よいピアノ。

石川さんと坂口さんはもうお馴染み。
それぞれの持ち味を間近で感じることができてよかったです。

平野さんは、音楽祭でたまたま近くに居合わせて少し会話したことが
あっただけでしたが、ようやくはじめて生演奏を聴けました。
リズムの軽やかさと、フレーズの間の取り具合がわたくしにはとても
心地よかったです。またひとり素晴らしい演奏家が出てきたなあ、と。

カルメンの「ハバネラ」の、リズムの小気味よさと絶妙な間。
ツィゴイネルワイゼンの、メリハリの効いたヴァイオリン。
このあたりが特によかったっすよ!

こういう生演奏に地元の駅でお気軽に触れられる幸せ。
クラシック音楽だからと言って、カタくかしこまって聴くことはない。
弾き語りのストリートミュージシャンアカペラグループを観るのと
同じような感覚で、リラックスしてその光景をただただ楽しめばいいの
ですよね。
こういうところから日常的に音楽に親しむ裾野が広がるといいなあと...。

帰り際には、風と緑の楽都音楽祭のステージで何度か演奏を聴いた
地元のフルート奏者・多田由実子さんとも居合わせて、ごあいさつを
交わせたのも想定外のよろこびでした。

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ランチタイムコンサート

エキコンから2日後のお昼どき。
石川県立音楽堂コンサートホールへ駆け込みました。
全国的に著名な青島広志さんが来られるからということもあってか、
かなり多くのお客さんが入っていました。
ワタクシが到着したときには1階席は満員。2階席後方の席へ。

赤ちゃんあるいは小さなお子さん連れのお母さんも多く居たところが
定番のクラシックコンサートとは違う雰囲気。
赤ちゃんも一緒に客席に入ってステージを楽しめます。素晴らしい。
たまに泣き声が聞こえてきたりするけど、こういうのもいいものです。

この日のランチタイムコンサートのテーマは「となりの世界の音楽」。
となりの世界、というのは、社会から「迫害を受けた人々」
「虐げられた人々」という意味で、そういう立場に置かれた人々の
音楽に注目してみるひとときという趣向でした。
青島さんの軽妙な、それでいて内容はとても真摯なトークで進行します。

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その昔、男性社会で「虐げられた」女性の音楽家の一幕として2曲。

ファニー・メンデルスゾーン(結婚行進曲や真夏の夜の夢などで有名な
フェリックス・メンデルスゾーンの姉)。音楽的才能は有名な弟よりも
上だったが、男性優位社会の中では目立った活躍が殆どできなかった
とのこと。
平野加奈さんの絶妙な間が冴え渡るピアノがとても心地よい小曲の演奏。

日本の女性音楽家・幸田延(のぶ)。
小説家である幸田露伴の妹だそうです。
東京芸大の中に100年近く眠っていた楽譜を青島さんが発見した
(当時の芸大が女性の進出と活躍を許さず、長い間お蔵入りになっていた)
というヴァイオリン・ソナタの一部が、坂口昌優さんのヴァイオリンと
青島さんのピアノ伴奏で披露されました。
これがまた、眩しいほどに明るく弾む、親しみやすい、素晴らしい曲。
そして艶やかな演奏。びっくりしました。これは聴けてよかったです。

次に、社会的に「迫害を受けた民族」ロマ(ジプシー)の音楽を2曲。

カルメンの「ハバネラ」を。
石川公美さんのソプラノと小野勉さんのテノール、青島さんのピアノで。
青島さんが客席に向かってハバネラのリズムの手拍子を促します。
青島さんお得意のお客さん参加型。ここでもまた出ました。
石川さんの鼻っ柱の高い女風の演技、小野さんの頼りない男風のちょっと
コミカルな演技が冴えていました。
日本語の歌詞で歌われたところがまたいい味を出していました。

続いて、ツィゴイネルワイゼン。ジプシー音楽のスタイルをもつ有名曲。
虐げられることによる重い哀しみ、その哀しみを振り払うような激しさ。
ここは坂口さんのヴァイオリンのみせどころ。
平野さんのピアノ伴奏でどしっと力強い演奏を聴かせてもらえました。
ホールだとより艶やかな音色に聴こえる感じがします。

この日は時間的都合でここまでしか観ることができませんでした。
それでも、楽しさあり。学びもあり。新しい発見もあり。
ほんの30分ほどだけでもこれだけ中身の濃いステージ。

思い切って行って、ほんとうによかったです。

 

ランチタイムコンサートの最後には「手のひらを太陽に」をみんなで
合唱したそうです。
そこには居合わせることはできませんでしたけど、青島さんらしいシメ。
そんな演出も、このステージ全体の構成も、おそらく青島さんならではの
平和と融和を呼びかけるメッセージではないかという気がしてなりません。

さりげなく、いまこのときにこういうステージが開催された意味は何か
図らずも、そこへ思いを馳せずにはいられなくなりました。

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金沢・寺町の結婚式場「辻家庭園」での、石川公美さんの歌唱。
西洋と東洋の文化が合わさった...和えられた「和」の雰囲気が美しい。


[辻家庭園] 庭園芸術 ONIWART -Vol.7- 石川 公美