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2017/09/02 弦楽トリオのゴルドベルク変奏曲@安江金箔工芸館

金沢・東山にある「金沢市立安江金箔工芸館」で定期的に開催されている
ニコンサートイベントへはじめて出かけてきました。

金箔工芸体験やクラフトワークショップなどのイベントもあるようですが
おおよそ隔月ペースでコンサートが開催されているようです。知らなんだ...

今回のコンサートイベントでは、オーケストラ・アンサンブル金沢
第2ヴァイオリン奏者・江原千絵さん、ヴィオラ奏者の古宮山由里さん、
そして金沢を拠点に活動されているチェロ奏者の福野桂子さん、
お三方の演奏で、バッハの「ゴルドベルク変奏曲」の弦楽アレンジが
聴けるということでした。

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 バッハのあの名曲「ゴルドベルク変奏曲」が
 500円で聴ける!

一度は生で全部通して聴きたかった曲。
思わぬところで、身近なところで、実現。これを行かずにおれまいか。

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)はすっかりお馴染み。
活動拠点の金沢では、石川県立音楽堂での定期公演をはじめとした
通常のクラシック音楽のオーケストラ演奏会はもちろんのこと、
落語(おぺらくご)や国産オペラの舞台などでも小編成で登場したり、
毎年春に金沢駅周辺で開催されるクラシック音楽祭「風と緑の楽都音楽祭」
(昨年までは「ラ・フォル・ジュルネ金沢」)のあらゆる形態の公演でも
お目見えするなど、実に多彩で柔軟な演奏活動をされています。
そんな中で、江原さんと古宮山さんの出で立ちは少し見覚えがありました。

オーケストラ・アンサンブル金沢はこういった公演でも活躍しています。

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福野さんは、富山県出身で、金沢を拠点に活動されているチェロ奏者。
「風と緑の楽都音楽祭」の弦楽四重奏ユニット「風と緑のカルテット」の
ひとりとして、いくつかのステージで活躍されていました。
そのときのキレの良い演奏はもちろんのこと、作曲家・青島広志さんや
富山県出身の俳優・西村雅彦さんとのトークの絡みも記憶に新しいです。

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こういう、身近なところで演奏活動をされている音楽家のみなさんが
自分にとっては特別に大好きな作曲家であるバッハの曲を届けてくれる。
そのこと自体が幸せなこと。

 

秋の気配漂う夕刻の安江金箔工芸館。

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建物の右、側面の辺りに入り口があります。

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入り口すぐ、1階の、コンサートを開催するスペースの一角。

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3人が客席エリアの真ん中の通路を通ってステージに登場。
約45分間におよぶ、30もの変奏をもつ大きな変奏曲の弦楽アレンジ。
ひとつひとつの楽器の響き、楽譜をめくる紙の音、呼吸や間合いまでも
ダイレクトに感じられるほどの間近で堪能しました。

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演奏しているときの楽器の動きや身体の動きを目の前で見ながら
聴くことではじめて、はっきりとわかることもありました。

3つの楽器に明確に役割が分けられた主旋律・伴奏・リズムのまとまりを
それぞれが奏でるところがあることはもちろんですが、それだけではなく、
ひとつの主旋律を複数の楽器が細かく行き来してと言うか、旋律の一部の
受け渡し合いをして組み立てるようなところが意外と多くありました。

ひとまとまりの主旋律だけではなく、伴奏やリズムまでも、ひとつの
変奏曲の中でとても細かく分割された部分的な役割を素早く交代・交換
して奏でて、全体として、非常に巧みに全体の流れを創り上げられて
いたところ。こういうところにとてもおもしろみを感じました。 

これ、こういうだけでは何を言ってるのかピンとこないですよね?(汗)
ひとつ前の文章がひとつの変奏曲だとして、3人に分けて読ませると、

 3つの楽器に明確に役割が分けられた主旋律・伴奏・リズムのまとまりを
 それぞれが奏でるところがあることはもちろんですが、それだけではなく、
 ひとつの主旋律を複数の楽器が細かく行き来してと言うか、旋律の一部の
 受け渡し合いをして組み立てるようなところが意外と多くありました。

普通はおおよそこういうまとまりに分けて読むであろうところを、

 3つの楽器に明確に役割が分けられた主旋律・伴奏・リズムのまとまりを
 それぞれが奏でるところがあることはもちろんですが、それだけではなく、
 ひとつの主旋律を複数の楽器が細かく行き来してと言うか、旋律の一部の
 受け渡し合いをして組み立てるようなところが意外と多くありました。

このくらい細かく部分的に分けられて読む、しかもそれを全体として
とても自然な流れの音読として聴かせる、ということです......
(余計にわけがわからんかも知れませんけど、まあ良しとしよう!)

全部で30ある変奏のなかで、3つ単位で登場するカノンの変奏曲や、
その間に登場するフーガの要素を感じさせる変奏曲で特に顕著だった、
主旋律が音の高低を変えて次々に連なったり交錯したりするところで、
このような役割変化の妙は一層際立っていたように感じられました。

そんなところもあり、ひとつの楽器がトレモロと長音を同時に奏でる
パートもあり、演奏する側からするととても忙しくて神経を使うであろう
ことが、音楽や演奏の理論的素養がまったくない自分にもおおよそ察しが
つくほどの複雑で緻密な曲、アレンジ。
聴いている分には明るくてゆったりと和やかな気分になれるのですけども。

最後の30変奏、壮大な曲調の「クオドリベット」では演奏のヴォルテージが
一気に上がり、最高の盛り上がりを見せました。堂々とした三重奏。シビれた...。
その後に続く冒頭のテーマの再現、静かなアリアで余韻に。

 

このステージで、はじめてヴィオラの音色や響きを間近で感じました。
ヴァイオリンやチェロを間近で聴く機会は今までにもそこそこありましたが
ヴィオラを間近でというのはなかなかなく、やっとじっくり味わえました。
音量としては比較的届きにくくて聴こえかたも地味ですけども、
全体の響きにバランスを持たせて、豊かな膨らみをもたらす大切な役割が
あるような、その役割の源をはじめて直接的に感じました。
これからオーケストラや弦楽アンサンブルを聴くときの感覚がちょっと
変わってきそうです。

大好きな曲をフルで聴けたということだけではない、
生演奏を観ることでしか得られない感覚、新たな発見。
いろいろな感動を得ることができた、あらためて音楽を味わう楽しさを
噛み締めたひとときでした。

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