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2017/08/26 森で重なる音と舞(舞踏+ギター)

2017/08/26 森で重なる音と舞「空気鯨が泣いた森」

微かに秋の光や風の気配が漂いはじめた晩夏の
とてもよく晴れ渡った休日の午後。
なんとも奇妙で摩訶不思議なステージを森の中で観てきました。

金沢市東部にある「夕日寺県民自然園」の山中で、
前衛舞踏(?)とアコースティックギターのコラボレーション。

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このステージでギターを演奏したのは、
富山県出身・金沢市在住のギタリスト「石川征樹さん」。
ことしの春に2度、演奏を観たことがありました。
旅の風景の流れを感じさせる響きを聴かせてくれる、ジャンルを超えた
独特のスタイルが強く印象に残り続けている音楽家。

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その石川さんが、金沢舞踏館の舞踏手であるという「松本拓也さん」と
共演されると...

舞踏はほとんど観たことがありませんでしたし、馴染みもありません。
そちらの感触は全く読めなくて見当がつかないけども、夕日寺の森で舞踏。
そういう場で石川さんがどんな響きを弾き出すのか?
当日の行動予定に上手く収まったこともあって、行ってきました。


このステージを知ったきっかけは、ことし5月に金沢駅付近を中心に
開催されたクラシック音楽祭「風と緑の楽都音楽祭」で、ステージの
ひとつに出演されていた、地元で演劇関連の活動を活発に展開されている
ストーリーテラー「奈良井伸子さん」のつながりからでした。

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奈良井さんは、石川さんの演奏の大ファンとのこと。
石川さんのコンサートレポート記事をこのブログへアップしたときに
コメントを寄せてくださいました。
その流れで、石川さんが音楽以外のアートとのコラボレーションも
されているという話を伺って、機会があったら是非一度観てみたいと
思っていたところ、その機会、案外早く訪れました。

14:00からと、17:30からの2回公演。
ほんとうは夕方の森のミステリアス感が味わいたかったのですが
別件の予定に向けて空けられませんでしたので、14:00の公演へ。
(奈良井さんは17:30のステージを観られたそうです)

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夕日寺県民自然園の駐車場から、丘を登っていきます。
目の前の階段を登りきったあたりで、偶然石川さんとバッタリ。
簡単にごあいさつ。

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さらに2,3分ばかり登っていきますと、小さな小屋状の建物
「ふれあいセンター」がみえてきます。
こちらでコンサートの受け付けをしていました。

そこからさらに奥の山道を2,3分あがっていったところまで
主催の方が案内をしてくださいました。
直径10メートルほどの、ホントにちょっとした自然の空き地に
木製ベンチとブルーシートで客席スペースが設営されていました。

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森の木陰に吹く涼しい風に当たりながらしばらく待機するうちに
徐々にお客さんが入ってきました。
小さなお子さま連れのご家族中心に30~40名ほど。

開演予定を少し過ぎて、石川さんが演奏のスタンバイ。
静かにギターの音が森のなかに響き出してしばらく...

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ステージ奥の小高い丘に茂る草むらの中から白塗りの松本さんが
あたかも野生の動物が起き出してきたかのようにゴソゴソと出現。
前方の小さなお子さま約1名「おうちにかえりたい~~~(泣)」

それからもずっと、木漏れ日を浴びながら空に向かって伸びたり
草木をいじり嗅ぎ回ったり土の上に這い転げたり...
なにかを感じるままにグネグネと蠢く奇妙な白い「空気鯨」。

その背景を彩り、場面場面のメリハリをつけていく石川さんのギター。
さらにその空間を包み込むように遠く鳴り響くセミの持続音。

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ぽつりぽつりと呟く独り言のような音の断片から、なにか今ひとつ
しっくりこない感覚を吐き出すかのようにも感じる性急なノイズまで。
石川さんの手から放たれる音粒やノイズは、どれだけ激しくとも
不思議ととても優しいタッチ。

言葉を獲得する前の人間、はたまた生きものはこういう感覚なのかと
思わせるような松本さんの舞踏...というか、動き...というか。
陽光や木漏れ日のちょっとした変化、風の変化、草木のそよぎ。
それらに敏感に呼応して揺らぐ松本さんの動きと石川さんの響き。

木と木の隙間から射し込む眩しい太陽の光を浴びてしばしたたずむ。
その光に乗って飛んでいきたいようにも見えるようなその一瞬が
殊更印象的に映りました。

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そんな、舞踏とギター演奏だけの、言葉のない30分強のステージ。
歯切れよく規則的な動きのダンス、美音で奏でる美しいメロディー。
そんな芸術品とはまったく趣を異にする規格外の、異様な、異色の、
異端のアート。

こんな謎な感覚はほかのどこでも味わったことがありません。
謎は謎のままであり続けることでしょう...

いや、人間社会の中の表現としては謎で異質のように思えるだけで、
野生の自然界の側からみたら、むしろ普通の表現感覚なのかも......

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