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日本絵画の美術展三つ巴!~北斎展・暁斎展・江戸絵画展@金沢

8月の後半。
夏季休暇中に、日本絵画の美術展を3つハシゴしてきました。
(正確に言うと、ひとつだけは諸事情でハシゴしきれなくて
 後日改めて観てきたのですけども...)

絵画の美術展へ出かけるのはかなり久し振り...と思っていたら、
5月後半に行ってた。3か月ぶり。それほど久し振りでもない(汗)

古い時代の絵画の、ということであれば随分久し振りになりました。
2016年の春、長野へ日帰り弾丸ツアーに出て、小布施町の「北斎館」で
葛飾北斎の諸作品を観て以来になります。

そして今回は、その北斎の作品が金沢で観られる機会がありました。
加賀本多博物館で葛飾北斎の企画展が開催されていました。

あとふたつは、
幕末から明治にかけて活動した河鍋暁斎の作品展が、石川県立美術館で。
東京富士美術館所蔵の江戸絵画の作品展が、金沢21世紀美術館で。

この3つの美術展を立て続けに観てきた、その印象を。

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企画展・北斎漫画@加賀本多博物館

金沢のまちなか、本多の森公園にある加賀本多博物館。
石川県立歴史博物館に隣接する、古いレンガ造りの建物。
この中の展示スペースの一部で、北斎漫画が展示されていました。
(フライヤーが見当たりませんでしたので画像はなし。残念)

展示スペースの一部ということで、作品の数は10点ほど。
量こそ少なくて物足りなさを感じたものの、北斎漫画をまた観られて
よかったです。

長野の北斎館ではじめて現物を観たときにも感じましたが、
何を描いていても、どこか明るくてユーモアに溢れた感触がします。
当時の人間模様、ちょっとした仕草、動植物、道具、風景、妖怪...
必ずしも陽気な様子とは言えないものごとでも、どこかクスリとなる。

落語を聴いているときの感覚に近いものを感じました。
人間のしょーもないところ、ダメなところ、キレイではないところまでも
ユーモアたっぷりに肯定する暖かさが落語にはあると思うのですが、
それに相通じるものを、そこはかとなく北斎漫画から感じるのです。

ワタクシが落語に親しみ始めたのは昨年末あたりからのことですので、
この感覚は長野の北斎館で観たときにはなかったものでした。

規模はとても小さいながらも、なかなか楽しかったです。
9月19日まで開催しているので、お近くへ行くことがあれば是非。

これぞ暁斎!ゴールドマンコレクション@石川県立美術館

こちらは開催のかなり前にフライヤーを見かけた瞬間に即決定。
フライヤーの裏にあった、なんというのでしょうかこれは。
水木しげるの妖怪マンガと鳥獣人物戯画がミックスされたような絵画。
そうかと思うと美人画もあり、掛け軸でよく見かけそうな動植物あり。

この「一体なんやこれ?」感。惹かれますねえ~~~!

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北斎漫画を観たあと、引き続き、近隣の石川県立美術館へ移動して
飛び込みました。暁斎展。

暁斎絵画の所蔵家、イギリスの「イスラエル・ゴールドマンさん」の
所有する作品がこの美術展に提供されたということです。

その量。そしてバラエティの豊かさ。ちょっとびっくりしました。
複数の展示エリアに渡って非常に多くの作品が展示されていました。

幕末から明治にかけての時代を生きて、当時の世相を感じ取って
描かれた作品群ならではの感触なのでしょう。
古くからの日本の伝統が色濃く感じられる絵画から、西洋の雰囲気が
混じった絵画まで。
自然をモチーフにした心象を描いたように感じられる絵画から、
烏や蛙を中心とした戯画、そして時代の変化を切り取ったような絵画まで。
いかにも当時の激しい時代の変化の渦中にあったことを感じさせます。

そしておおかたの絵画に感じた「ジャーナリスティックな視点」。
風刺画に近いものを感じます。
しかし、だからといって、辛辣で深刻な感覚をぶちまけた雰囲気はなく、
北斎漫画を観たときの感覚にも相通じるような、明るいユーモア感覚に
満ちあふれていました。そのあたりがいちばんおもしろかったです。

質・量、ともにとても見応えがありました。
お気に入りの画家...というか絵師というか。またひとり増えました。

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こちらの美術展は、8月27日をもって終了しました。
埼玉県蕨市に「河鍋暁斎記念美術館」があるとのことで、そちらでは
常時作品を観ることができるようです。

江戸絵画の真髄展@金沢21世紀美術館

こちらは新聞広告で開催を知りました。
俵屋宗達伊藤若冲の作品が直に気軽に観られる機会ということで、
ジワジワと気にしていました。
ハシゴの最後のつもりでしたが、諸事情あって日を改めて観ました。

江戸前期の狩野派から、江戸後期の渡辺崋山あたりまで。
この時代の絵画をざっとおさらいできる感じの美術展だったと思います。

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質・量ともなかなか充実してはいたと思いますが、うーん。
期待が大きすぎたかな。ちょっと物足りなさが残りました。

狩野派琳派の、江戸前期の屏風絵のかずかず。
確かに綺麗に描かれていることはよくわかりますが、とても形式的で
平板な感じがして、思ってたよりも、心躍るには至りませんでした。

面白味を感じたのは、それ以降、特に江戸中期の絵画でした。
伊藤若冲曾我蕭白(そがしょうはく)の作品が観ていていちばん
楽しかったです。数年前にテレビでいくつかの作品を観たことが
あるくらい(若冲西陣織の再現作品を観たことがある)でしたが、
そのときに感じた面白味をナマで味わえて、ますますワクワクしました。
この2人の作品の数が少なかったのがちょっと残念でした。
展示の趣旨からしてしかたないのですが。

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その他、岸駒の鋭くもあり暖かくもあるタッチの動物画や、
池大雅の作品のほっこり感もよかったですね。
このあたりは自分には新たな発見でした。
このような想定外の良さに気づく可能性があるあたりが、
特定の画家に特化しない美術展の良さだったりします。

こちらの美術展は、8月26日で終了しました。
(最終日に駆け込んだカタチになりました...)

 

   *    *    *

 

充実感とインパクトで言えば、暁斎展に軍配が上がります。
ですが、それぞれに別々の良さを感じられる、
さらには日本の豊かな美術文化をまざまざと感じられる、
そんな美術展のかずかずでした。

音楽コンサートでは、かつての「ラ・フォル・ジュルネ金沢」、
現在の「風と緑の楽都音楽祭」。そして「金沢Jazz Street」。
それぞれの音楽祭で公演のハシゴをすることができて、
実際にハシゴしたりもしましたが、美術展のハシゴをするのは
これがはじめてでした。

こうして集中的に同時にいろいろな美術作品を次々観ていくのも
またおもしろいものがあると感じましたね。
金沢市のまちなかには、こうして、徒歩圏内に美術館や博物館、
作家の記念館などが集中していますので、それらをハシゴして周って
楽しむような連携企画なんかがあったりするとおもしろそうです。
(既にあったらゴメンナサイ)

これからもまた機会を見て、こういう観まわりをしてみたいものです。