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2017/05/27 池辺晋一郎が選ぶクラシック・ベスト100(第2回)

2017/05/27 池辺晋一郎が選ぶクラシック・ベスト100(第2回)

先日、チェンバロ奏者・中野振一郎さんの演奏とお話による
チェンバロ講座 第3回」を観に行ってきたという記事をアップしましたが、

rcs4naruki.hatenablog.com

チェンバロに惹かれて行った、また別の公演のコンサートレポートを
書き残せていなかったことを思い出しました...
それがこの「池辺晋一郎が選ぶクラシック・ベスト100(第2回)」です。
どんどん思い出されてきましたので、一気にまとめていきましょう。

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この公演のことは、行きつけの近所のカフェの店主・ゆみこさんが
教えてくださいました。

 「なんか音楽堂でバッハの曲をやるらしいけど、行くの?」
 「何!どんな!?」

で、見てみると。なんと。
実力と美貌を兼ね備えた、世界的なと言っても決して過言ではないであろう
人気チェンバロ奏者「曽根麻矢子さん」が来て演奏されるという...
一度は生で聴いてみたかった演奏家。気軽に味わう大チャンスやん!

曲目も、バッハの親しみやすく好きな曲が揃いに揃っている。
シューベルトの魅力も味わえる、メンデルスゾーンはあまり馴染みがないけど
交響曲「イタリア」の独特の爽快感は好きだったなあ...と、聴きどころ満載。

このコンサートの翌日は、カフェでのはじめてのイベントを開催する日。
そこで話をするネタもここで拾えるかも知れないと。

5月後半は既にいろいろな音楽コンサートを観る予定をキツキツに入れてるわ
研修出張はあるわ、カフェの初イベントの準備も大詰めだわで、なにかと
てんてこ舞いでしたけども、それでもこれは観たい。予定にねじこみました。

 

当日のお昼過ぎに石川県立音楽堂コンサートホールの3階席へ。
開演前には大きなスクリーンにこのコンサートのタイトル・曲目、
そして出演者が次々と映し出されていました。

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作曲家・池辺晋一郎さんの司会によってプログラムが進行していきます。
有名なクラシックの名曲の、さらに親しみやすい「おいしいところ」を
気軽に少しずつつまみ食いできる、さらに楽器の特徴も知ることができる、
クラシックやオーケストラに親しむ取っ掛かりにはうってつけのステージ。

こういう「おいしいところのつまみ食い」を、上質な演奏と軽妙なトーク
そして池辺さんお得意のオヤジギャグダジャレの応酬で楽しめます。

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ここでいちばん聴きたかった曽根麻矢子さんは、バッハのコーナーに登場。
「イタリア協奏曲」で、ソロでとても瑞々しい演奏を聴くことができました。
大きなホールの3階席から聴くチェンバロの音量はとても小さいですが
それでもその繊細な響きは充分楽しむことができます。
ブランデンブルク協奏曲」「2つのヴァイオリンのための協奏曲」でも
チェンバロパートの演奏で登場、それぞれ少しずつでしたがいい演奏を
味わうことができてとてもよかったです。

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さらに、特に興味深かったのは「音楽の捧げもの」のところでした。
実験的な要素も色濃い、バッハの晩年につくられたこの作品に含まれている
「謎のカノン」についての解説がとても興味深くて面白かったのですね。

どのあたりが謎と呼ばれるゆえんなのか、というところを、
池辺さんの解説と、ヴィオラ・チェロのデュオでの演奏で味わえました。
解説のときには「謎のカノン」の楽譜がスクリーンに映し出されて、
楽譜を見た演奏家がそこに記された内容を読み解いて解釈して演奏する
必要があるということと、いざ演奏するときちんとした美しいカノンが
見事に成り立つというところがわかりやすく知ることができるのです。
バッハが如何に突出した作曲テクニックの持ち主であったかということが
改めて思い知らされました。もう至高の職人芸というほかありません。

 

このあとのシューベルトのコーナーは、さらにリラックスして楽しむことが
できました。「未完成」「ます」が聴けたのが嬉しかったですね。
特に「ます」は、翌日のカフェイベントでワタクシが話をするネタに用意
していたこともあって、一際興味を持ってあらためて聴きました。

ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの変則的な
編成で演奏される曲であることは以前から知っていましたが、
「昔から研究家や学者の方々からいろいろな説が唱えられてきてるけど
 当時、曲を演奏しようというときにたまたまそこにいた演奏家
 そうだったから、それがそのまま受け継がれているだけじゃないの?」
池辺さんの本当なのかそうでないのかわからないような解説?あり。
ですが、実のところは案外そういうものなのかも知れません。

軍隊行進曲の演奏がまたおもしろかったですね。
ホルン2・フルート2・オーボエ2・クラリネット2・ファゴット
コントラファゴット1、という管楽器のアンサンブルでの演奏。
ちょっとゆるくてコミカルな行進の風情でした。
クラシック音楽に親しみを感じ始めたときの感覚が思い起こされました。

 

こういう、クラシックの有名な名曲の詰め合わせコンサートというのも
なかなかいいものですね。
入門としてもとっつきやすいし、少しは聴き込んでいる自分のような
リスナーにとっても、曲の魅力をあらためて新鮮に感じることもできます。

なんといっても、質の高い演奏家による演奏がゆるく楽しく味わえる。
あ...池辺さんのオヤジギャグダジャレも。

石川県立音楽堂では、オーケストラ・アンサンブル金沢は、
こういう親しみやすい公演もされているということ、
クラシック音楽は、必ずしも折り目正しくアカデミックに接するだけの
ものでもない、ポップスを聴く感覚で充分に楽しむこともできるということを
もっと知られてほしいなあと、そういうことを感じた公演でした。

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