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2017/05/26 トモ・イワクラ ギターによるバッハ

2017/05/26 トモ・イワクラ ギターによるバッハ

相当以前...5月後半から6月初頭にかけて、3つたて続けにみた
アコースティックギター演奏のライブレポ3連発の第2弾。いきます。

東京・市ヶ谷の教会でクラシックギターの生演奏を味わってきました。
ドイツ在住のギタリスト「トモ・イワクラさん」によるバッハの演奏。

バッハの魅力に取り憑かれるきっかけになった、最も決定的な大好きな曲
無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ」
そのアコースティックギターによるアレンジが生演奏で味わえる絶好の機会!
ちょうど出張で研修を受講した後、なんとか開演までに間に合わせられそう
ということで計画しました。

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教会で生演奏のコンサートを観るのもこれがはじめてでした。
かなり昔に知人の結婚式でオルガンの演奏や讃美歌の合唱を耳にしたことが
2,3度ばかりあるくらいで、それ以外の楽器の生演奏となると、
どのような雰囲気や気分、楽器の音の残響が楽しめるのか?
教会で録音された音楽のCDで愛聴盤になっているものはいくらかありますが、
実際の建物の中の響きや空気感はさすがに感じることはできませんし、
コンサートホールやライブハウスなどとの違いはどんなものなのか?という
ところもまた楽しみにしていました。

そんなこんなでとても貴重な機会と意気込んで市ヶ谷へ向かいました。

 

場所は、ルーテル市ヶ谷ホール。
ルーテルとは、中世の宗教改革で有名な「ルター」のことだということが
現地へ到着してやっとわかりました。(汗)

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演奏がされるのは、教会のチャペルそのものではなくて、
教会に隣接した、少し古めかしさを感じる地下のホールでした。
ここではこのホールがチャペルを兼ねているのかも知れません。

ステージのスペースはとても低い段差で、かなり広く取られています。
ゴスペルの合唱にも対応できるようにするためでしょうか。
通常のコンサートホールとはいろいろと違ったつくりが目につきます。

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そこへトモ・イワクラさんが登場して、演奏がはじまりました。

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パルティータ1番。
線が細い淡々としたギターの響き。淡白に感じるけども渋さも感じられる音。
スムーズに曲が進むかと思いきや、テンポの細かいパッセージで時折流れが
切れてしまうところが多々ありました。
それだけではなく、曲の流れに沿っているとは思い難い(あくまでも自分が
ヴァイオリンやリュートなどで聴き慣れている感覚からすると、ですが)、
不自然な間をところどころに感じたりもして...そんな違和感を覚えつつ、
最後のドゥーブルはとても溌剌としてて流れもよかったです。

ソナタ3番。
この曲集の中でも大好きな組曲だったので大いに楽しみにしていましたが、
指使いを完全にトチって流れがあからさまに途切れるところが散見...
テンポも走ったり止まったりでイマイチ。淀んだ印象ばかりが残った感じ。
上手く曲が運ばれていたところも随所に合ったものの、全体的には平坦でした。

休憩を挟んで、パルティータ2番。
この組曲も、ソナタ3番と同じくらい大好きで、今度こそはと思ったところが...
ここでも一音二音ミスったレベルでは到底済まないくらいの大きなミスが多発。
それほどテンポが速くもなくフレーズも細かくないはずの(だから技術的に
簡単だとまでは安易に思いはしませんが)サラバンドでもミスを連発。
鳴らされるべき音が抜けるところもあれば、余計な音が鳴らされてしまうところも。
大曲のシャコンヌもしかるべきではないところで流れがブツブツ切れてしまって、
上手くフレーズを運べているところもあまり抑揚がなくてひっかからなかった。
そんなふうに演奏の完成度がとても低かったため、曲そのものに集中することは
到底できませんでした。正直、退屈な演奏だったと思います。

アンコールは定番曲をふたつ。
 1.主よ、人の望みの喜びよ
 2.G線上のアリア

とても速いところをスムーズに弾きこなす一方で、それほど速くも細かくも
ないところで流れが途切れることがあったり、トチった後に1小節分ほど
まるごと弾きなおすことも何度かみられて、どうしたものだろうと...

なんともちぐはくな印象が大きく残ってしまった、非常に不出来な、
言ってしまえばボロボロのコンサートでした。

 

このとき以外の彼の演奏を全く知らないので、普段はこんなはずではなくて、
このときだけ突如コンディションが悪くなってしまってよいパフォーマンスに
結び付かなかったということだったのかも知れません。

ですが、誰が聴いても、音楽に無関心な人が耳にしたとしても明らかな不出来、
もしかしたらそもそも技量不足ではなかったのかともみられる拙ささえ
感じさせるこのときの演奏がなんの要因で引き起こされてしまったのかは
知る由もありませんが、それにしても、聴いているほうもかなりしんどさの
残ったひとときになってしまいました。
ご本人もおそらく相当に不本意だったのではないでしょうか。

 

それはともかくとして、教会でクラシックの生演奏を楽しむということは
できました。それはとてもよい体験になったと感じています。
音楽を愛好する聴き手としては、こういう体験もまた自分の聴く耳の感度を
高める機会。これからも、当たり外れを恐れずに、いろいろな演奏の機会に
立ち会えたらいいなと思います。