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2017/06/25 李彩霞ミニコンサート~二胡と胡弓のデュオ

2017/06/25 李彩霞ミニコンサート

中国・内モンゴル出身、金沢在住の二胡奏者である李彩霞(リ・サイカ)さんと
金沢出身の胡弓奏者である倉本由美子さんによるミニコンサート。

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李さんのスタジオで開催されたこのミニコンサート。
もともとあまり大々的には告知がされていなかったようですが、
たまたま、とある筋から、開催のお知らせが存在するのを目にしました。

ワタクシが李さんの生演奏を聴いた過去2回は
どちらも石川県立音楽堂コンサートホールでのコンサートでしたが
それとはまた全然違うこぢんまりとした場所(のはず)で
二胡の響き、そして李さんの手による極上の演奏を、
はじめてもっともっと間近で味わう絶好のチャンス。

そして、はじめて李さんの生演奏に触れたコンサートの終演後サイン会で
少しだけ対面したときには伝えきることができなかった、
そして2回目のコンサートでも叶わなかったこの思い。

昨年10月にはじめて李さんの演奏に触れたとき、物心ついて以来今までずっと音楽を聴いてきて、こんなに心を震わされたことはかつてなかったというくらいの大きなおおきな感銘を受けました。そのときの感動はこの記事に残しています。 それ以来、音楽をはじめとしたアートに触れる感性や、趣味の行動、ものの考えかた。すべてにおいて自分にとっては革命と言ってもいいくらいの大きな変化…好影響がもたらされました。 なんとしてもまた生演奏を聴きたい。できたらお礼を伝えたい。そんな気持ちでいっぱいでした。

2017/03/06 李彩霞 ランチタイムコンサート - Naruki.K's Radio Head

これを、ようやく果たすことができそうなチャンスでもあると。

休日の日曜日の昼下がり。なんの支障もなし。
このときに行かずしていつ行くというのか。
すぐに李さんご本人に連絡をとって、お伺いする意思を伝えました。

そう遠くない日のうちになんとしても果たしたかった、李さんとの再会。
それが実現しました。

 

金沢のまちなかを東の山あいの方へ向かう途上にある住宅街・涌波にある
李さんご自身のスタジオ、彩霞Studio。
一日中シトシトと雨が降り続く梅雨の昼下がりにクルマを走らせて到着しました。

素敵なデザインのエントランスが目を惹きます。

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ご自身のスタジオを構えて間もなく1周年を迎えるという、
真新しい建物の中の1階にあるカフェルームで少しばかり待機。

県産材の能登ヒバと杉をふんだんに使った柔らかい雰囲気と木の香りが漂う中で
週2回、平日のお昼の時間帯にカフェとして営業をしているそうです。

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コンサートスペースは2階に。
30人余りのお客さんが着席してステージがはじまりました。

この日はスタジオに招かれた倉本由美子さんによる胡弓の演奏がメインの構成。
胡弓のソロでこれらの曲が演奏されました。

 1.おわら節
 2.五木の子守歌
 3.青葉の笛
 4.美空ひばりさんの歌 ←曲名を聞き逃してしまいましたorz
 5.公園のスケッチ (倉本さんのオリジナル曲)
 6.かがやき (倉本さんのオリジナル曲)
 7.リュウさんの曲 (倉本さんが二胡を習ったときの先生にまつわる曲)
 8.宵待草

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胡弓の音。はじめてまともに聴きました。
楽器の姿かたちも、演奏しているときの楽器の取り回しもはじめて目にしました。
とてもしんみりとした、淡く渋くて儚さを感じる響き。
陰影の深い、素朴で静かな和の空間や庭園の光景を思わせます。

富山の民謡の演奏や伴奏にとてもよく使われるのだそうです。

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倉本さんのステージが一通り終わったところで李彩霞さんが登場。
二胡と胡弓、それぞれの楽器の特色と違いのお話。

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音色も楽器の構造も、似ているようで全然違います。
縦に構えて演奏するところは同じで、漠然とどのあたりが違うのだろうとしか
思っていなかっただけに、とても驚きましたし、興味深かったですね!

 【弦】
   胡弓:絹糸3本
   二胡:金属2本

 【本体】
   胡弓:やや大きめの四角形(三味線を小さくしたような感じ)
      表と裏とも猫の皮で張り閉じられている
   二胡:小さな六角形
      表にニシキヘビの皮が張られているが
      裏は何も張られておらず開放

 【弓】
   胡弓:馬の尾
      たわんだ状態で外から弦を擦る
   二胡:馬の尾
      ぴんと張った状態で弦の中に入れて内側から擦る

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胡弓のほうは、ヴァイオリンやギターなどの他の弦楽器と
同じように、
指で押さえた弦は指板に接しますが、
二胡のほうは押さえた弦が接する指板がありません。
弦をどの程度押さえるかの感覚は完全に指の感触だけが頼りなのだそうです。

さらに驚きました。それで音程や音色を自在にコントロールするとは。
ギターをちょっとだけ嗜んだ程度の自分にはちょっと想像がつきません。

 

そんなふうに不思議がっているうちに、
倉本さんの胡弓と李さんの二胡によるデュオの演奏が始まりました。
演奏されたのは「月の沙漠」。間を空けずに続けて「荒城の月」。

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くっきりと鮮やかに、それでいて柔らかく歌う二胡のメロディの周りを
お香からゆらりと漂う煙のような、淡く渋い趣の胡弓が彩りを添えます。

ワタクシ自身が普段から聴き馴染みのある西洋の楽器に例えるなら、
胡弓は、ヴィオラ・ダ・ガンバなどのヴィオール属の擦弦楽器
二胡は、ヴァイオリンやチェロなどのヴァイオリン属擦弦楽器
そのような音色の特色の違いがあるような印象を受けました。

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その後、李さんの二胡によるソロで一曲。
「牧羊女」が演奏されました。
とてもゆったりした伸びやかなメロディを持つ、大陸の広い平原を思わせる曲。

両手に収まるかくらいの小さな中空の小箱に、
華奢にしか見えない細い棒がくっついた楽器から発しているとは
とても信じ難いくらいの、暖かく柔和で豊かな音色。

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そしてふたたび倉本さんと、胡弓と二胡のデュオ演奏。
金沢出身の倉本さんはもとより、
金沢で演奏活動と生活をはじめて20年の李さんにとってもまた、
これからもがんばって生きていく「ふるさと」金沢。
その思いが「ふるさと」のメロディに乗せられました。

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倉本さんの出番が終わってステージを後に。
終演と思いきや、李さん再登場。最後にスペシャルボーナス!

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十八番という「万馬奔騰」を。
この曲は過去2回のコンサートでも演奏されましたが、
二胡一本だけでももの凄い迫力。躍動感。超絶テク。
いななきをあげながら大草原を疾走する馬が生き生きと描写されました。

2日前までおフランス(本人談)へ演奏旅行へ行っていて
時差ボケが抜けきってない(本人談)ことを全く感じさせない演奏と表情。

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終演後は1階のカフェスペースに移動して
お客さん同士で談笑のひととき。

お世話役を務めていた李さんの門下生のMさん、
以前から李さんと親交があって
中国との親善活動をされているというOさんご夫婦とご友人の方々が
ひとりで丸腰でお初のスタジオへ臨んだワタクシを
以前からの知人のように暖かい笑顔で迎え入れてくださいました。

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そんなふうにとても明るい朗らかな談笑の場だったということもあって
李さんへ直接感動と感謝をしみじみと話す雰囲気にはなりませんでしたが、
それでも、ステージ後、当初の想定とは全然違った
フレンドリーでアットホームな楽しみを味わえてとてもよかったです。

ステージ以外の場ではどこからどうみても普通の女性。
一体誰が出演者だったのかわからないくらい、お客さんの輪の中に
(和の中に)溶け込み切ってました。
とても人懐っこい人柄の李さんの姿がまたステキでした。

二胡と胡弓だけのシンプルで生々しい響きを間近で存分に堪能できて、
楽器のことも、李さんのことも、よりよくわかることもできました。

すばらしいひとときをありがとうございました。

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来月、スタジオ1周年記念のミニコンサートを開催するとのことです。
コンサートスペースにグランドピアノを搬入するそうで、
ピアノとのデュオでまた違った魅力を味わうことができそうです。
万障繰り合わせて行きたい...

 

こちらのコンサート記も是非ともご覧くださいませ。

rcs4naruki.hatenablog.com

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