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おてらくご 金沢のお寺で立川吉幸さんの一席を

金沢市内のお寺で落語を聴いてきました。
お寺で聴く落語だから「おてらくご」。

「昨年12月に初めてナマで落語聴きに行ってから、ときどき落語聴くのが楽しくなってきてん」というような会話を最近知り合った友人としておりましたら、数日後、こういうものがあるよと教えてくださいました。

金沢市内の真宗大谷派(お東さん)のお寺が持ち回りで開催しているようです。
もう第5回なんですね…こういうイベントがあったとは全然知りませんでした。

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数日に渡ってかなりいろいろな場所のお寺で開催するということがわかります。
小学校でも何度か一席設けられるようです。
入場無料(お賽銭歓迎!)。お寺の近くに住んでいる方がうらやましくなります。

期間中、2箇所まわると粗品がもらえるとのこと。
その品というものが一体どんなものなのかも気になるところですけども、今回はひとまずお試しということと、もうひとつ行く余力がないということで、ひとつだけにしておきました。
第6回がいつ開催されるのかはわかりませんが、そのときには2箇所まわってみたいです。

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金沢駅近くのお寺「円休寺」へ出掛けました。
御堂へ入ると、後方に椅子席が40席くらい、前方に座布団席が40席くらい。
着いた時点でガラガラだった座布団席のひとつに座ってしばらくのんびりと待機していましたら、徐々に徐々に席が埋まってきて、開演の午後2時までにはおおかたが埋まりました。なかなか盛況です。
年配の方が大半でしたが、同世代くらいかと思われる方もちらほらと居られました。

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最初に正信偈・念仏・和讃を、住職さんとお客さん全員で唱和しました。
ワタクシには意味そのものは全然分かっていなくて、本に書かれている言葉から意味を少しばかり読み取る程度のことしかできませんが、いわばメロディを口ずさむような感覚で唱えてみました。
宗派はもちろん、宗派が同じでも住職さんによって唱える調子が微妙に違う(ように感じる)もので、このような唱和をするときには「今回はどんなうたかなあ?」などとつい考えてしまいます。
落語の席という場のためか、少し明るい調子の唱和だったような気がします。

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唱和が終わったあとは、住職さんが法話を10分ばかり。
日本でいちばん多く歌われているうたはこの「正信偈」なのだそうです。
住職さんの仲人さんが出版された本に関して人との縁の奇遇さ大切さを話しておられました。

引き続き、落語の一席が始まりました。
噺家が現れる前に流れる軽快なお囃子。いいですねぇ。

そのお囃子が流れる中、立川吉幸(たてかわきっこう)さんが登場。
43歳の、この世界ではまだまだ若手の噺家さん。
この日の午前中には小学校で6年生の前で一席こなしてこられたとのことです。
小学生からの質問コーナーでは収入のことをシビアに訊かれて参ったそうで笑笑

その昔、お寺の和尚さんが庶民に法話をするときに、難しい話を聴こうとする前にちょっと可笑しい小話をして場を和ませるということを始めたそうで、それが次第に落語になっていったという「お寺」と「落語」の結びつきについても話されていました。

そういうような「つかみ」の後に、大相撲の本場所が近いということで、江戸巡業に来た力士が武勇伝(?)を語るという「大安売り」の噺と、「いまなんどきだい?」で有名な「時そば」の噺をおもしろ可笑しく演じられました。

そばを啜る仕草のシツコさと絶妙な間。その一瞬の間が可笑しかったですねえ。
定番のネタであることもあるでしょうが、語り口がとても聴き取りやすかったことで、和んだお寺の御堂の空気をも楽しむことができました。

誰しも心の奥底に持っているブラックな一面、妬み嫉みや「ずっこい」「せこい」「情けない」そういうマイナス感情を頭から否定しないでやんわりと可笑しく語って聴いて笑ってしまう。こんなしなやかさがあると人間もっと幸せになるんじゃないかなとも思ってしまいます。
人の器の大きさというのは、そういうことなのかなあと。

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
親鸞聖人のこの言葉にも相通じるものを感じずにはいられません。おてらくご。

身近なところで若手の噺家さんの一席に触れる。
それによって、笑い話に親しみながらお寺にも親しむ。
日常的にこのような場所に行ける生活、いいなあと思いました。

 

「大安売り」こういう噺です。


桂三枝 「大安売り」

 

こちらが「時そば」。


柳家花緑「時そば」