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2017/05/12 Jazz trio「やまや」1st album発売記念ライブ@金沢

2017/05/12 Jazz trio「やまや」1st album発売記念ライブ@金沢

ここ1年ほど前から、主に地元で開催されるコンサートへ出掛けて生演奏に触れる機会を多くとるようになってきました。会場への行きやすさや価格設定の面から、クラシック音楽関係のコンサートへ足を運ぶ機会が多いのですが、昔はロックやジャズのライブへよく出掛けていたものでした。

最もよくジャズの生演奏を聴いた場所が、この日のライブの会場「もっきりや」です。世界的なビッグネームから地元のアマチュア音楽家まで、多くのライブを観るために足繁く通った想い出深い場所ですが、随分と長いことご無沙汰になってしまっていました。

4月末のお昼前、あるカフェで開催されるコンサートへ出掛けるために金沢のまちなかを歩いていたその途中にお店の前を通りかかりましたので、取り急ぎライブ日程のチラシを手に取ってみました。その日の目的地であるカフェへ向かって歩きながらそのチラシをざーっと眺めてみると、一風変わった編成のグループのライブ予定が目に止まりました。それがこれです。

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「やまや」。ヴィブラフォン、ピアノ、チェロのトリオ。
ヴィブラフォンの入ったジャズはそこそこ親しんで聴いているし、チェロの入ったジャズもほんのちょっとだけ知ってはいるけれども、この組み合わせのトリオとなると、一体どんな響きが聴けるのだろう…と、興味津々になりました。
数日寝覚めても気になりだしたものが止まらない!予定を入れました。

艶やかな美女3人という理由だけで決めたわけではない!
というところは念のためキチンとここに強調しておかなければなりません。
(ってムキになってわざわざ言うということは…ソレハイワナイヤクソクデ)

そして当日。
お昼前からの暑さに少し疲れ気味になってしまって、やっぱり行くのをやめて早めに帰宅して休んだほうがいいかなという思いが頭によぎってしまいました。だけども…全然行けない気分体調なわけでもない、行こうと思えば行けるのに行かなかった、そうしたときの後悔のほうが間違いなくしんどい。そう思い直して、スタバでしばしの休憩をとってから現地へ向かいました。

 

学生時代から20代の時期にかけて一番つるんでいた旧友の父上(故人)がこの日のライブの会場とは別のジャズ喫茶のマスターで、そのつながりによってジャズを聴くおもしろさを覚え始めたのがハタチになる前くらいの頃。
さらにその数年後、その旧友とここ「もっきりや」へはじめてふらりと入ってみると、お店のステージで歌っていた女性がなんとワタクシの小学校時代の同級生だった…彼女は当時ここで働きながら時折歌っていたということがありました。

そういう縁がきっかけでジャズの生演奏にも親しみはじめて、彼女のステージを楽しむところから始まって他のステージの魅力にも味を占めた…思いのままに気軽にライブへ出掛けて生演奏に触れるという習慣とその快感が身についたのでした。

身の上の変化に伴って随分長いこと足が遠のいていましたが、昨年7月、大槻ケンヂさんの弾き語りライブがあることを知って久し振りに足を運びました。

rcs4naruki.hatenablog.com

小さなジャズ喫茶で味わう、あの不穏でのほほんなオーケンワールド。
それはもうサイコーに楽しかったわけですが、ジャズ喫茶でジャズの演奏を聴くという意味では、この日の「やまや」のライブが随分と久し振りの体験となりました。

 

もっきりやでは、有名無名問わず多くのライブが連日開催されています。
前日までの電話などでの予約やチケット確保も可能ですが、当日飛び入りでも、店内に軽く入ってマスターに席があるかを確認してみて入場することが可能です。
この日は当日飛び入りで入りました。

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7時過ぎ。店内へ入りました。
入場希望を伝えて、ワンドリンクのオーダーをします。
ライブの入場料とワンドリンク代500円を支払って、好きな席につきます。

このときは一番前の正面が空いていましたのでそこへ陣取りました。
この日出演するトリオ「やまや」のチラシを見ながら、ワンドリンクに選んだかなり辛口のジンジャーエールを口にしつつ開演時刻を待ちます。
メンバーの別活動のチラシも後でいただきました。

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ステージ向かって左手にワインレッドのピアノ。
その奥にある棚いっぱいのレコードやCDの並びがジャズ喫茶らしい光景。
真ん中にチェロにつなげるためのエフェクター
足を伸ばすとこれに届きそう…くらいの近さの席に座ったというわけです。
右手にはヴィブラフォンがスタンバイしています。

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開演予定時刻を5分ほど過ぎて、やまやの3人がステージへ登場。
演奏がはじまるやいなや、独特の音世界が店内に響き渡りました。

 前半のセットリスト: *カッコ内は作曲者
  1.Stay close to my heart(山田)
  2.Etude(平山)
  3.プーライ組曲(山崎)
  4.セリア(山崎)
  5.やまやブルース(山田)

1曲目から4曲目までを聴いて感じたのは、とても絵画的で風景描写のようだなあということ。ストレートなジャズとは趣きの異なる感触。旅歩きで流れていく自然や街の風景の移り変わりを思い起こさせるようでした。
そして、金沢城の一角にある「玉泉院丸庭園」のライトアップの光景に奏でられるとしたらそれもまたとてもよく合いそうだなあとも感じて、その光景を頭に浮かべながら聴いてました。

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4曲目の「セリア」は、もともとはマリンバで演奏するために作った曲だそうです。
マリンバだと「あたたかい」響きだけど、ヴィブラフォンで演奏してみたら後光が射す「ありがたい」響きになったと(山崎さん談)、ありがたく拝聴しました笑笑

前半ラストの5曲目ではガラッと雰囲気が変わりました。
タイトルのとおり、ブルースをベースにしたストレートなジャズ。
ジャズならではのスウィング感、各楽器のコール&レスポンスがとても楽しい。
ジャズトリオを象徴するテーマ。いいですね。

胸の透く演奏が終わってしばしの休憩時間。
アイスコーヒーを追加オーダーして余韻を楽しみました。

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 後半のセットリスト:
  1.山下白雨~さんかはくう(平山)
  2.東から西へ(平山)
  3.やさしい歌(山崎)
  4.Turn of the season(山田)

1曲目はファーストアルバムのタイトル曲。
葛飾北斎の絵画からイメージを膨らませて作られた曲ということですが、これがまた…このライブいちばんの迷宮ワールド。
フリージャズか。プログレッシヴ・ロックか。はたまたミニマル・ミュージックか。インタープレイの緊迫感と単純な反復持続音によるトリップ感の交錯。ジャズでしか、この楽器の組み合わせでしか、この3人にしか出せないであろう独特の響き、空気。
曲が終わった直後、即興生演奏でないと絶対に味わえないこの一期一会の瞬間をガッツリと味わえたことに快哉を叫びたい気持ちになりました。

2曲目以降は、風景の流れを描写するような絵画的な音世界がふたたび。
演奏も前半よりもさらに滑らかな流れになっているように感じられました。
ラストの曲では、それまでにも感じられた「リズム・ハーモニー・メインメロディを3つの楽器が滑らかに役割を渡し合い受け取り合う」そのシンクロが見事に決まっていました。ドラムレスの編成であること、ウッドベースでなくチェロであることが、この効果をさらに際立たせているのでしょう。

またひとつ、稀有の音世界の魅力を発見し、体験できた喜び。
来てみてほんとうによかった。

アンコールは、山崎さん作曲の「Happy Lucky Happy」。
子どもたちもすぐに馴染んで踊りだしそうなポップなテーマとアドリブが明るくスウィングする曲で、3人が演奏しながら、お客さんも聴きながらテーマを口ずさむ。
一気に和やかな雰囲気になって、すべての演奏が終わりました。

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ヴィブラフォンの山崎ふみこさんのブログ。
幸先良いツアー初日になったようでなによりです。

ameblo.jp

 

お店を出る前に「やまや」の3人と少し交流してみました。
才色兼備の美女もステージを降りると気さくで朗らかな普通のおねーさん。
えくぼスマイルがキュートなピアノの山田貴子さん曰く、

 「金沢は個性ある熱い方が多くないですか!?」

近年文化的にとても攻めている金沢を、時間のある限り、また、今後も訪れて楽しんでくれたら嬉しいという感じで、微力ながら地元の魅力を入れ知恵アピールしました。

毎年9月に金沢のまちなかで開催されるジャズの音楽祭「金沢Jazz Street」でこの3人の演奏を観ることができたらいいだろうなあ。東京で活動するミュージシャンも出演されるその中に「やまや」がエントリーされてて、鮮烈な音世界と華やかな出で立ちが、通りがかりの人々の足を止める。そんなことがあったら最高だなあと…。

まだ新しく歩みだしたばかりの(自称)無名のトリオ「やまや」。
魅力あふれるトリオとしての活動ももちろん、個々の諸活動もより充実されますように。陰ながら応援していきます。