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Naruki.K's Radio Head

Transmitter! Picking up something good. Hey! Radio head! The sound...of a brand-new world♪

2017/04/16 上田智子後援会スプリングコンサート(ハープとソプラノ)

2017/04/16 上田智子後援会スプリングコンサート

地元出身のハープ奏者・上田智子さんのミニコンサート。
金沢市の北隣に位置する津幡町の森林公園にある「わくわく森林ハウス」という施設で開催されました。自宅からクルマで10分かからないくらいの近くに居ながら、まともにこの施設の中へ入ったことはありませんでした(汗)。一度だけ、公園内のテニスコートを借りるために入口付近の受付窓口にだけ入ったことはありましたが、そのときは施設の中を見て回ることはありませんでしたもので…。
とても暖かく好天に恵まれた日曜日の昼下がり、雑木林の中でハープの音色を存分に楽しむことができました。

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3月に石川県立音楽堂で開催された、二胡奏者・李彩霞さんのランチタイムコンサートで、上田智子さんのハープをはじめて聴きました。このときのハープの伴奏はとても繊細で、李さんの流れるような二胡のメロディーに効果的にアクセントを与える歯切れよい響きが印象的でした。

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この後、チケットボックスのかたわらに上田さんのコンサートのチラシがあるのが目に止まりました。あ、あのときの、とすぐにピンときました。次はソロで聴くことができる。しかも、場所が石川県森林公園。近隣でそんなコンサートがあるとあらば行ってみねばなるまい…チケットを押さえました。

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ゲストに、ここ2年近くの間に何度もコンサートで観ている、実に広範な活動をされておられる地元出身のソプラノ歌手・石川公美さんが出演。一昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢のステージではじめて観たのを皮切りに、最近ではマリンバ奏者のコンサート、桂米團治さんのおぺらくごで、その鮮やかな歌声を堪能いたしました。
今度はハープに乗せてどんなうたが聴けるだろう。それもまた大きな楽しみでした。

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会場に入ると、木と土塗りの壁で覆われた暖かく優しい空間にハープが1台。
50脚ほどの木製の椅子がゆったり目に置かれていました。
最前列の席が空いていましたので陣取りました。
またまた砂かぶり席ならぬツバかぶり席!
だって、ハープを演奏する手の動きをできるだけ近くで観たかったもんね…

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会場の駐車場スペース調整の都合により、開演時刻より10分近く遅れて開演。
上田さんが登場してハープを抱える。
後援会主催の、懇親会も兼ねたコンサートということで、お客さんの中にはおそらく門下生やその親御さんもおられたのでしょう。約40分間の短い時間の中で、ハープの魅力・多様な可能性が凝縮された、優しく流れる調べに癒やされる…だけでは済まない、とても濃密な演奏を観せてくださいました。

ステージの背景には、時折桜の花びらが舞い散る緑鮮やかな明るい雑木林。
好天に恵まれてとても素敵な雰囲気の中で豊かな響きを楽しんだひとときでした。

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 - 曲目 -
  1.ノクターングリンカ
  2.吟遊詩人の故郷への別れ(トーマス)
  3.ムーン・リバーヘンリー・マンシーニ
  4.優雅な月よ(ベリーニ)
  5.Ich liebe dich(ベートーヴェン
  6.オペラ「ラ・ボエーム」より 私が街を歩くと(プッチーニ
  7.六段(黛敏郎
  アンコール:この道(山田耕筰

前半3曲は上田さんのハープソロ。
ノクターン」はその名の「夜想曲」としてはやや明るめの、むしろこのような暖かい昼下がりのまどろみに似合うような雰囲気。
「吟遊詩人の~」は、ハープの学習によく取り上げられる曲だそうで、哀しげなテーマの変奏が繰り広げられる、聴き応えのある(おそらく弾き応えもある)曲。
ムーン・リバー」。あの有名なロマンチックなメロディーがハープでムーディーに奏でられる。繊細なグリッサンドの装飾に彩られてとても爽やか。

中盤3曲で、ゲストの石川公美さんのうたを堪能。
「歌のショパン」と言われたというイタリアの作曲家・ベリーニの「優雅な月よ」。イタリアの歌曲らしく朗々と明るい感じ。
ベートーヴェンの初期の歌曲「Ich liebe dich」。愛の歌らしく甘く穏やかなうたではありましたが、そこはやはりベートーヴェンならではの熱さも感じました。
「私が街を歩くと」。いかにもプッチーニらしい鮮やかな大きなメロディ。石川さんの力強い歌声に乗るとより一層原色鮮やかに咲き誇る大輪の花を思い起こされる感覚がしました。

最後の1曲。日本の作曲家・黛敏郎さんの「六段」。
上田さんのハープソロ。ここまでの6曲とは全く趣の異なる響き。
西洋の音楽ではまずお目にかかれない、雅やかな箏曲を思わせる陰影の深い和の響き。
ハープの音色から想像される一般的なイメージを遥かに超えた、ハープという楽器の可能性が突き詰められたかのような、前衛的な、実験的な奏法が目白押し。
弦を摘んだまま上下させて微妙な音の揺らぎをつくり、低音弦をわざとビビらせて、ハープのボディを叩いて空間を切り裂く。
そんな演奏風景の背後では、雑木林の葉が風に揺られ、桜の花びらが揺られ落ちて。
音の揺らぎとあわせてそれ全体でひとつの作品のようでした。貴重な体験。

アンコール「この道」。
ふたたび石川さんが登場して明るい郷愁を感じさせてくださいました。

 

コンサートが終了した後は懇談会のためにテーブルのセッティングがされました。
スタッフさんたちがその準備を進めている合間を縫って、ちょっと勇気を出して上田さんに話しかけてみました。3月の李さんのコンサートではじめて演奏を聴いて好感を持ったことがきっかけで今日のコンサートを観させていただいたことなどをお話しすることができました。また、石川さんともはじめてお話を交わすことができました。
ステージが終わったあとは、ゴージャスなステージドレスを纏っているところを除いては、おふたかたとも至って普通の朗らかで気さくな女性。とても楽しく会話をさせていただきました。ありがとうございました。

そして懇談会の直前に…
懇談会に参加するために残っていたお客さん限定サプライズスペシャル!
ステージ側奥の大窓を開放して、半屋外のテラスにハープを移動させて、上田さんが演奏を1曲ご披露してくださいました。しかも撮影OK!

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暖かい春の昼下がりのそよ風になびいて届くハープの響き。石川さんもウットリ。
柔らかく穏やかに奏でられた、マックスウェルの「引き潮」。
あまりにも素敵過ぎるプレゼントに皆さん大喜び。

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出演者のおふたかた、お客さん、スタッフさん、みんなにケーキとドリンクが配られて懇談会が始まりました。それぞれ思い思いに談笑を楽しんでおられました。後援会員ではないわたくしにも「どうぞどうぞ」とスタッフさんが声を掛けてくださいまして、お言葉に甘えてひとついただいてきました。
最高のロケーションで和やか雰囲気の中でいただいたケーキとドリンクはとても美味しかったです。ありがとうございました!

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今後ますます、上田さんや石川さんをはじめ、地元に縁のある演奏家の方々を応援していきたくなりました。自分にはできる限り現地で鑑賞するしか能がありませんけど…。

音楽を聴きにいったという以上の大収穫があったひととき。
音楽を聴くことが好きでほんとうによかったと、心の底から思いました。

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そしてこの小さなコンサートを観て新たに再認識したこと。
シンプルな楽器からこのハープのように巧妙なメカニックが組み込まれた楽器まで。どれも共通しているのが、音の響きと造形美を両立できていること。この形や機構にも、響き・造形両面で、さらには演奏しやすさも含めて「こうでなければ」という根拠があるのでしょう。
音の響きだけでなく、そういうものの造形や、演奏される場の光景や設え。すべてが組み合わさってその場そのとき限りのひとつの芸術作品としてコンサートを感じる楽しみがあるということ。生演奏を味わうということはそういうことなのだなあとひしひしと感じました。

 

上田さんの演奏ではありませんが、この日演奏されたハープによる曲をいくつか。

ムーン・リバー。とても甘くロマンチックな響き。


ムーンリバー

吟遊詩人の故郷への別れ(テーマのみ)。もの哀しいメロディー。


吟遊詩人の故郷への別れ

黛敏郎さんの「六段」。これは聴き応えがあります。
きっと、ハープに対するステレオタイプなイメージが覆るではないかと…。


ROKUDAN-六段-:MIYABI MATSUOKA 【OFFICIAL】松岡みやびハープ演奏