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Naruki.K's Radio Head

Transmitter! Picking up something good. Hey! Radio head! The sound...of a brand-new world♪

2017/04/07 鈴木優人・木嶋真優&OEK「世界に誇る若き才能を聴く」

2017/04/07 鈴木優人・木嶋真優&OEK(オーケストラ・アンサンブル金沢

「世界に誇る若き才能を聴く」
ヴァイオリニストの木嶋真優さんは、数年前にテレビで少し演奏を見たことがありました。当時は自分自身も自宅療養中だったこともあって、それほど強い印象を感じたわけでもなかったのですが、チラシを発見して、ああ、あの方だとすぐに思い出しました。
あらためてナマで聴くのもいいだろう。曲目も、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲ならきっと若々しく明るい演奏を聴くことができるだろうと。

しかも、バッハの管弦楽組曲第3番も演奏されると...これは逃せない。
チケットを購入しました。コストを抑えたかったので3階席を確保しました。
石川県立音楽堂コンサートホールは、3階席でも充分素晴らしい響きを聴くことができて、オーケストラ全体の動きもはっきりと見渡すことができることはわかっていましたので、不安要素は一切ありませんでした。

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開演時刻。弦楽器奏者十数人と管楽器奏者数人が登場。
全員がそれぞれの位置に座ったところで、鈴木優人さんが登場。拍手の中深々と一礼した後、ステージ前方中央に置かれたチェンバロへ向かう。
チェンバロ通奏低音を奏でながらアンサンブルの指揮もする。いわゆる弾き振り。

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バッハの管弦楽組曲第3番。
ちょっとだけテンポ早め。メリハリのある明るく爽快でクリアな演奏。
涼やかに引き締まった弦楽器に小編成の金管ティンパニが輝かしい彩りを添える。
有名な第2曲「アリア」は弦楽器だけでどこまでも優しく。
鈴木さんも歯切れよくチェンバロを鳴らしつつ颯爽と指揮を執る。
重くもたれることのない、明るくて朗らかなバッハがそこにはありました。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番。
ここで、ヴァイオリニストの木嶋真優さんが登場。
長い髪を後ろにまとめて、鮮やかな桜色のドレスでステージがより華やかに。
木管楽器奏者も登場。アンサンブルの人数も増えて小編成のオーケストラに。
ステージ前方中央のチェンバロは右手隅に移動されました。

オーケストラの音色にはまろやかさが加わって、より温かい響きに。
木嶋さんの独奏ヴァイオリン。驚きました。
弱音も強音、響きの強弱や音階の高低の変化がとても滑らかで艷やか。
それでいて、重たい情念テンコ盛りのようにになるようなことはなく、軽やか。
重音もとてもクリアに鳴らしきっていてまったく淀みのない演奏を聴かせてくれました。素晴らしい。見事。脱帽。

協奏曲の演奏が終わる。
木嶋さん、鈴木さん、オーケストラメンバーのあいさつのあと、オーケストラの左前半分、ヴァイオリンパートのメンバーが一斉に椅子を後ろへずらしてスペースを空ける。
そこへピアノがゴロゴロと運び込まれる。
前半の終わり、鈴木さんのピアノ伴奏による木嶋さんのアンコールコーナーに。

グラズノフ作曲のメディテーション(瞑想曲)が演奏されました。
鈴木さんの非常に優しく柔らかく繊細なピアノの響きに木嶋さんの伸びやかなヴァイオリンの歌が浮き上がる。バッハで歯切れよくリズムを刻んていた鈴木さんはここでは慎重に音をひとつひとつ置いていく。曲の特性を見事に引き出して際立たせる手腕が見事。

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休憩を挟んで後半へ。
ベートーヴェン交響曲第2番。
弦楽器の数はさらに増えて、管楽器のバリエーションもさらに増えて、中規模編成のフルオーケストラに。音の響きも一段と分厚く。
ベートーヴェンらしい、激しさと繊細さの目まぐるしい起伏に富んだ展開。
自身の内面の悩み苦しみから解放された直後の作品だそうで、それを思わせるような、明快で豪快曲調。それをとてもテンポよくシャープに鳴らすオーケストラ。
暑苦しさを感じさせない、胸の透く演奏。素晴らしかった。

後半のアンコール。
モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲。
とても早いテンポで溌剌とした演奏でコンサートが絞め括られました。

全編を通して若々しく、歯切れ良く、しなやかに。
若い2人が春爛漫の年度はじめに勢いをもたらしてくれました。

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後で気がつきました。
鈴木優人さんは、バッハのカンタータ全曲録音に取り組むなど、国内外で非常に意欲的な活動を展開しているバッハ・コレギウム・ジャパンを主宰している高名な音楽家・鈴木雅明さんのご子息であると…。この方も将来きっと凄い音楽家になっていきそうな、そんな予感を起こさせる豊かな才能を感じました。
木嶋さんも、これからますます演奏に磨きが掛かっていって素晴らしい演奏家に成長していくことでしょう。

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このようにとても才能豊かな、将来性が大いに期待できる若い演奏家のパフォーマンスを体感できてとても刺激になりました。
クラシック音楽演奏の将来は、きっととても明るいことでしょう。

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木嶋真優さんの演奏による、グラズノフメディテーション(瞑想曲)。
ピアノ伴奏は別の方(柳谷良輔さん)です。


Alexander Glazunov: Meditation, Op.32 - Performed by Mayu Kishima(木嶋真優)and Ryo Yanagitani(柳谷良輔)

 

鈴木優人さんによるチェンバロの演奏。
バッハの幻想曲とフーガ。歯切れの良い明快な響き。


J. S. Bach - Fantasia and Fugue in C minor BWV 906 [allofbach]