Naruki.K's Radio Head

Transmitter! Picking up something good. Hey! Radio head! The sound...of a brand-new world♪

2017/01/22 マンドリンアンサンブル小次郎組 5th concert

※旧ブログ記事を加筆訂正しました。

2017/01/22 マンドリンアンサンブル小次郎組 5th concert

マンドリンときいて思い起こすのは…

 ・多彩な楽器を駆使して奏でるノスタルジックな響きが魅力の
  アメリカのロックバンド「フーターズ」の…
   ロックンロールナンバー「25 Hours a Day」
   切ないバラード「Private Emotion」

 ・「四季」で有名なヴィヴァルディの作曲によるいくつかのマンドリン協奏曲

 ・ジャズギタリスト、ジョン・マクラフリンが自身のプロジェクト
  「リメンバー・シャクティ」で前面に押し出した、
  インド出身の若手エレクトリックマンドリン奏者の鮮烈な超絶技巧

ロック、クラシック、ジャズ。
ギターほどポピュラーではないにしても、全然違う音楽のそれぞれのフィールドでときに鮮烈な、ときに可憐に響く、常に素朴で明るい響きをもたらす楽器という印象を持っていて、1本で、あるいはせいぜい数本だけが用いられて鳴らされる楽器であると思い込んでいました。

ある日ふと目に入ったコンサートのチラシに「マンドリンアンサンブル」と。
一体どのくらいの規模でどんな曲が演奏されるのか?
マンドリンがある程度集まって合奏するとどんな響きを聴くことができるのか?
また新たな音楽体験を味わいたい。そう思いつつも、他に行こうとしていたコンサートとの兼ね合いでその場では一旦保留にしていました。余力があったら出掛けて行ってみようと。

f:id:rcs4naruki:20170322151424j:plain

で、当日。
余力たっぷりとは行かないまでも、前日には本来行くことを予定していた別のコンサートには諸事情で行けなくなってしまったなどということがあって、この日はいっそのこと行ってしまってスッキリしようと。気になってるものを中途半端に迷ってやり過ごしてモヤモヤを残すのはつまらないと考えて、思い切って出掛けることにしました。

現地で当日券(たったの1000円!)を購入し、最前列の席に陣取って聴いてきました。
今やすっかり金沢アートホールでのコンサートの自分定番。砂かぶり席!笑笑

会場でパンフレットを手にして。ホールに入ってステージを見て。

 マンドリン12人
 マンドラ・テノール7人
 マンドロンチェロ4人
 クラシックギター7人
 コントラバス2人
 そして指揮者

せいぜい10人弱の少人数アンサンブルだとばかり思っていましたが…
こんなに大規模なのか!もはや弦楽オーケストラ!驚きました。

f:id:rcs4naruki:20170322151545j:plain f:id:rcs4naruki:20170322151549j:plain

「Divertimento SAI」
このステージが初演という、石川県出身の作曲家によるマンドリンアンサンブルのための組曲。高音部と中音部で響く大小のマンドリントレモロによる長音と軽やかに弾む単音の連続のメロディ。それを優しく力強く支えるギターとコントラバス
アンサンブルというよりはもう立派な弦楽オーケストラ。
色に例えると黄色からオレンジ色の、特に黄色が目立つ暖色系グラデーションでしょうか。
マンドリンがこんなに厚く豊かな響きを出せるのか、と目から鱗が落ちました。
全編通して明るく気持ちが弾むような、カラフルでよい曲だったと思います。

「群炎」
全編を通して和の響きを感じさせるドラマチックな大曲。
雅やか、という言葉がしっくりくる高音域で散りばめられるトレモロ音と、それを実に力強く支える中低音のリズム。日本の自然風景、殊に古城の石垣や、庭園にそびえ立つ松の大木に吹き付ける強い風とその揺らぎ、そういいうものが眼前に見えてくるかのような素晴らしい演奏。マンドリンでなければ、また、日本人の作曲家でなければこの響きは出せないのではないでしょうか。

ソロステージの各曲
ここでは、2本のマンドリンのデュオ、マンドリンソロ、クラシックギターのソロ、マンドリンとギターのデュオ。それぞれ1曲ずつ、比較的小規模の曲があわせて4曲披露されました。
それぞれの奏者がとても真摯に楽器を響かせていた姿が印象的。

ドヴォルザークの弦楽セレナーデ
ドヴォルザーククラシック音楽を聴き始めた小学5年生当時から特に好きな作曲家のひとりでしたが、この曲を聴くのはこれがはじめて。明るい中にも郷愁味溢れる人間臭いメロディと響きが如何にもドヴォルザークらしくて、曲のうねりと弾みに合わせてノリながら聴き入っていました。マンドリンで演奏されたためか明るさが特に際立っていました。ドヴォルザークの大作はフィナーレが本当に見事。どうしても熱いものがこみ上げてきてしまいます。

アンコールでは、映画「君の名は。」の中の一曲が。
RADWIMPSの「前前前世」がドラマチックに、厚くも爽やかな響きで再現されました。


マンドリンアンサンブル 小次郎組』
北陸を拠点に活動する(おそらく)アマチュア演奏家の集団のようです。
本職あるいは学業のかたわら、これだけ質の高いアンサンブルの響きを紡ぎ出す。
ひとり、あるいは数人規模の話ではないだけに諸々の苦労もあろうことは想像に難くないところ。息を合わせて質の高いアンサンブルの響きを奏でる、そして、パンフレットにアンサンブルの紹介、丁寧な曲目の解説を掲載するというところでも、音楽を楽しむ裾野を広げていきたいという真摯な姿勢が伺える…そんな小次郎組のみなさまに敬意を表します。

f:id:rcs4naruki:20170322151654j:plain

 

この日の「群炎」の演奏。


マンドリンオーケストラの為の群炎Ⅰ/熊谷 賢一