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2016/09/04 坂口昌優ヴァイオリンリサイタル

※旧ブログ記事を加筆訂正しました。

2016/09/04 坂口昌優ヴァイオリンリサイタル

地元出身の若手ヴァイオリニスト・坂口昌優(まゆ)さんが、これまた地元出身のピアニスト・鶴見彩さんと組んでのコンサート。
このコンサートのお目当てはイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。数年前に奥村愛さんの演奏でイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを聴いたことはありましたが、もう一度聴きたい。
J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンとは異質の音世界をやはり生で体験したい。
そしておふたかたの美貌も…それで日曜日の昼にホールへ足を運びました。

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最前列に陣取って開演。
若手の女性ヴァイオリニストの演奏と聞くと、艶やかで叙情的な音色で優しく癒される音空間というイメージが出てきてしまいそうなところです。登場してきたおふたかたの姿形や表情だけ見ていると、如何にも...という雰囲気を醸し出していましたが、ひとたび楽器から音を発した途端、全く異なる、むしろストイックで渋い、それでいてテンションの高いステージが繰り広げられました。

コレルリの主題による変奏曲。
比較的親しみやすく和める演奏はこのオープニングだけでした。
まあ、コレルリの作風がテクニカルではあってもあくまでも明るくて、それをクライスラーが料理するとあったらそれはそうなるね、と。変奏曲だけあって、シンプルなフレーズが徐々に複雑に姿を変えていく楽しみを裏切らない、そういう曲調と演奏でした。

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ
モーツァルトにしては異質な暗く物憂げな曲調。
ヴァイオリン協奏曲がどれも明るい曲だというイメージがあったこともあり、とても驚きました。モーツァルトにもこういう作風があるのだなあと。まあ、28番ということで、そんだけ数が多ければ中にはそういうものもあるだろうと言えばそれまでなのでしょうけども。そんな意外性に引き込まれて聴き入りました。

イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
ここでは第5番と第3番が取り上げられました。
とても大好きなJ.S.バッハ無伴奏とどうしても比べてしまうのですが、やはり全体的に不定形な印象でスケール感やイマジネーションの広がりは敵わないように感じるところ。両方合わせて20分足らずの短いもので、やはりJ.S.バッハのそれとは全く別モノ。
それでも自由でありとあらゆるテクニカルな響きの連なりを楽しむことができました。

フランクのヴァイオリン・ソナタ
イザイの結婚に当たって作られたという30分近い大作。
交響曲をひとつフルで聴いたかのような大きなスケール感。
ちょっとこれは正直消化不良…もうちょっと聴き込まないと中に入ってこない感じ。
演奏そのものは曲に込められたものを真摯に表現されていた印象はあるのですが、これだけ長大な単一のヴァイオリン曲を聴き慣れていないのですね。自分の耳が。
ただ、第2楽章で抑揚の大きな激しさを持った曲というのははじめてで、そのあたりは新鮮な感覚がしました。

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ここでのいちばんの新たな発見はやはりモーツァルト
おおかたを占める天真爛漫な曲調とも、晩年のどこか浮世離れすら感じるような透明な達観とも違う、とても人間臭い暗い側面を感じさせる曲をはじめて耳にして、やはり奥が深いものだなと改めて再認識したものでした。よい収穫でした。
そして、バッハとイザイの明確な違い。
どちらが好きかと言われるとやはり迷うことなくバッハとなりますが、イザイにもバッハにない良さがあるもので、いつもとは変わった空気感を味わいたいときに立ち寄るところが新たにひとつできたという、これはこれで新たな収穫でした。

地元出身の美貌の奏者がこんなに真摯にクラシックに取り組んで活動されている。
そのこともとても誇らしく思えたひとときでした。

 

坂口さんの演奏によるタイスの瞑想曲。非常にクリアで滑らかな音色とフレージング。
富山市役所市民ホールにて。


富山市役所市民ホールミニコンサート(平成24年3月13日)

 

地元ローカル番組で、金沢望郷歌を歌った若手演歌歌手・松原健之さんとトーク&セッション。ヴァイオリンの特徴の説明も見ることができます。
※当時、独立リーグ石川ミリオンスターズ」に在籍して、この番組(平日夕方どきのローカル情報ニュース番組)にレギュラー出演もされておられた、元巨人の木田優夫さんの姿も右隅に少しだけ…笑)


となりのテレ金ちゃん 松原健之 君をのせて(バイオリン 坂口昌優とのセッション)