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2017/03/12,13 石川県立音楽堂 演芸まつり

2017/03/12,13 石川県立音楽堂 演芸まつり

落語です。上方落語です。
昨年12月にはじめてナマで落語を観ました。かねてから大好きだった桂南光さん。
これがおもしろくておもしろくて、今後できるだけ多くナマで観ることにしようと思い立ち、自宅でも落語の動画をちょくちょく流したりするようになりました。

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その後、例によって石川県立音楽堂チケットボックスでコンサートの目星をつけているところに「音楽堂演芸まつり・その3」のチラシを発見。

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また南光さんがやってくる!そして…

 おぺらくご???ドン・ジョバンニ???

なんだかようわからんが、落語でオペラをネタにするらしい。
これまた一体どんなことになるねん???

 観たい…これも観てみたい…

もう躊躇しませんでした。2日通し券を購入しました。
場所は前回と同じ、石川県立音楽堂「邦楽ホール」。

 

いちにちめ。3月12日昼。
前半に噺を2席。後半がまるまる「おぺらくご」。

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桂そうばさんがはじめに登場。
昨年12月の舞台でも先頭を切って登場したややどっしり目の体格の彼がにこやかに。
今回もまた師匠(ざこばさん)をネタにして元気いっぱいにイジっていました。笑笑

次に桂米團治(よねだんじ)さんが登場。
そうばさんとは好対照な、スマートで端正な出で立ち。
後半のおぺらくご「ドン・ジョヴァンニ」の序曲…前フリよろしく、女たらしで遊び人な「どぉんならぁん」旦那の噺の古典落語で会場を盛り上げます。

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20分間の仲入り後、ついにはじまりました。おぺらくご。

緞帳が上がると…オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバー12人によるアンサンブルが軽やかにモーツァルトを奏で始める。そのど真ん前に高座がでーんと置かれている…一体どんなことにと思いつつ心地よい響きに身を任せていると…

おもむろにホールの後ろから米團治さんが登場!
オースティン・パワーズを彷彿させるおどけ踊りで軽やかに花道を通って前へせり出す、自称「モーツァルトの生まれ変わり」。

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スペインが舞台の
イタリア語で語られるオペラが(「ドン・ジョヴァンニ」はスペイン語では「ドン・ファン」)
コテコテの関西弁で語られて
関西弁のジョヴァンニが金沢出身の修道女にコナをかける…

オーケストラ・アンサンブル金沢の明るく爽やかな春の陽気を感じさせる演奏をバックに繰り広げられる
 関西訛りのドン・ジョヴァンニとレポレッロ
 彼にたらし込まれる金沢弁のドンナ・アンナとドンナ・エルヴィーラ
 正義感溢れる標準語のドン・オッターヴィオ
話の筋書きも語り言葉もゴタゴタな男女の愛憎劇。

ジョバンニにいいようにたらし込まれた、でもジョバンニのことを忘れられないエルヴィーラを慰めるレポレッロ。

 旦那に泣かされたのはあんただけじゃな~い
 イタリアでは640人~
 ドイツでは231人~~
 しかしここスペインでは1003人~~~ せんさんにん! せんさんにん!

悲嘆に暮れるエルヴィーラ。

 ああ、ダラな男…orz

もうサイコーでした!むちゃくちゃおもしろかった!
音楽コンサートにしろ落語などの舞台にしろ、終わったあとはひとりで余韻に浸るのが常で、それも嫌いではない自分もこのときばかりは思いました。

 友だち全員と一緒に観て大笑いして盛り上がりたかった!
 ひとりでおもしろがってるのもったいない! もったいない!

自称「モーツァルトの生まれ変わり」による、実際には米朝師匠のご子息の手によるおぺらくご。話も音楽も不思議に馴染んで、日本語でアテた歌詞の内容や響きもメロディーによくフィットしていました。

そして、モーツァルトの音楽。
決してキレイな内容とは言い難い、ベタでゲスな男と女のドラマを実に軽妙洒脱に演出する効果絶大!なんてことにも改めて気がついて。オペラ、ラブストーリー、メロドラマ。すっごく苦手だったはずのこれらがこれからは楽しめるかも知れない!笑笑

これはね…観てください!一度観たほうがいいです!
お近くでおぺらくごの舞台があるとなったら、何も考えずに観に行ってください!
オペラを知らなくても落語に馴染みがなくても…いやむしろそのほうが純粋に楽しめるのではないでしょうか。クラシック音楽は好きだけどオペラはほとんど避けて通ってきて、落語も昨日今日聴きかじり始めたクチの自分がそう思ったのだから間違いない!

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ドンナ・アンナを演じた、地元出身のソプラノ歌手・石川公美さん。
いろいろなコンサートで何度もお目にかかってすっかりお馴染み。
ことし1月にもマリンバのコンサートで歌っている姿を観ました。
クラシックの枠を超える幅広い活動ぶり、その柔軟な姿勢が素敵です。

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ふつかめ。3月13日夜。
こちらはごく普通の構成の舞台。

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前半は若手(といってもこの道20年以上)の3人。
桂米輝(よねき)さんがハリのある声(とツヤのある頭)で勢いよくしゃべくり、桂吉弥(きちや)さんは変幻自在の歌や節回し絶妙な間で折り混ぜて笑いを誘い、桂米紫(べいし)さんは落語の登場人物の演じ方をおもしろおかしく解説してネタの中で実演してみせて…三者三様それぞれの個性が際立った落語の見本市。
落語ならではの想像力あそび。これは楽しい~~!

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15分の仲入りの後に、おんな道楽の内海英華(うつみえいか)さんが登場。
ここまででかなりコテコテボリュームたっぷりの高座に一陣の華やかな涼風。
三味線で都々逸とやんわり風刺の利いた語り。そして艶かしい合いの手。

昔はこのように落語の合間に道楽を演じる女性はたくさんいましたが、今では英華さんただ一人だけだそうです。だから「日本一でございます」。そして世界にはこういう仕事はありませんから「世界一でございます」…。

 ♪ナンバーワンよりオンリーワン
 いやオンリーワンになったらナンバーワンだから!
 オンリーワンになりたかったら早い話が誰もしてないことをやったらよろし。
 その時点で既にオンリーワンにもナンバーワンにもなれまっせ…

閑話休題
英華さんがこう言ったわけではなくそのときにワタクシの頭によぎった戯言…(汗)

軽妙洒脱な英華さんの演目が終わり、満を持してついに登場。
桂南光さん。演目は『素人浄瑠璃』。
くだけて言えば、誰も行きたがらないジャイアンのリサイタル、のような話。笑笑
これが南光さんのあの独特のしわがれ声とにじり寄るような調子で語られるものだからもう可笑しくて可笑しくて!声出して笑いました!最高でした!

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一番上が南光さん。
なかほど右が米紫さん。左が吉弥さん。右下が英華さん。その左が米輝さん。

 

2日がかりの演芸まつり。
こころゆくまで堪能しました。笑いました。すっかり落語大好きになりました。
普段は笑点大喜利くらいにしか触れなくて、お正月あたりの風物詩的な形骸化した伝統芸能のひとつと見做しがちでしたけども、そんなことは全然ない。
確実に現代に活きているし、伝統を受け継ぎつつも革新的な試みや営みが進んでいる。
自分の感性もそのようでありたいとすら感じさせる2日間。

演者のみなさま、ありがとうございました。

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自称「モーツァルトの生まれ変わり」米團治さんの実父、
レオポルド・モーツァルト…じゃない、米朝さんの「算段の平兵衛」。


算段の平兵衛「桂米朝」

 

南光さんの「素人浄瑠璃」。


桂南光  素人浄瑠璃