Naruki.K's Radio Head

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2017/02/10 EAST meets WEST~フラメンコギターと能楽の舞のコラボ

EAST meets WEST 出会い:うたかたの夢

沖仁(おき・じん)さん。
日本人でありながら
フラメンコギターの世界的第一人者。
数年前、自宅療養中にテレビで
はじめて目にしたときの衝撃は忘れられません。

切れ味の鋭さと優雅さが絶妙なバランスで
両立した、決して甘くならない、聴き手に媚びて
迎合することもない、かといって突き放すわけでも
ない、本当の意味で真摯さと誠実さを感じさせる
その演奏。その姿。

その方が金沢でコンサートをするという情報が。

しかも。
フラメンコギターと能楽の舞とのコラボという、
なんとも斬新な企画。

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能を舞うのは、西洋音楽などとの交流活動を盛んに
なさっておられる、地元出身・能楽宝生流シテ方
渡邊荀之助さん。

以前、ラ・フォル・ジュルネ金沢で、
バッハの無伴奏チェロ組曲第1番:前奏曲との
コラボを観たことがあったので、その存在は
既に知ってはいました。

このときはクラシック、それも朴訥とした曲との
コラボだったので、それほど強い違和感もなく
観ることができましたが...。

今度はフラメンコギターと???
能楽とフラメンコ???
なんだその発想は!?
どんなことになるのやら!?

フラメンコと言えば、激しくて目まぐるしい
ギターのパッセージに合わせて
派手なドレスの女性が情熱的にステップを踏んで
舞い踊る...そういう映像は何度も観たことが
あるけど。

そうではなくて、能? のう?? ノウ???
能舞のあの動きにフラメンコギター。
いったいどうマッチするというのか???

しかし。だがしかし。
これは絶対にオモロイはず。
圧倒的な芸術性の高さを持つ2人が絡んで
おもしろくならないわけがないやろ!
なにはなくとも、あの沖仁さんの演奏を
ナマで体感できるとなると...

 行かなならんやろ!それは!

チケットの値段。S席8000円。
普段よく出かけている地元のコンサートの倍以上...
だけども一切迷いませんでした。
チケットを入手しました。

そして当日。
雪が風に乗って舞い散る金沢のまちなかを歩いて...

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石川県立能楽堂へ。

場内が暗転してステージがはじまる。
主役が登場する前に、舞台の周りに配置された
12本の和蝋燭ひとつひとつに火が灯されて。
青いライティングと黄色い炎が輝く幻想的な舞台。

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そこへ沖仁さんが登場。
一緒にパーカッショニスト
容昌(ようすけ)さんも登場。
柔和な表情で一礼だけ。無言で演奏を始める。

どういった曲で何の曲ともつかないまま
フリーフォーム(に感じられる)演奏。
矢継ぎ早に現れる、激しくも繊細な、
速く細かな音の連続体。

奏法的には紛れもなく
フラメンコのそれなのでしょう。
だけども響きはフラメンコの枠を軽々と超越した、
沖仁ミュージックとしか言いようのない世界。

途中で突如現れる「さくらさくら」のメロディ。
そして「アランフェス協奏曲」の有名なフレーズ。

シンプルなフレーズの
とても濃密で重層的なアレンジ。
全く先の読めない、けれども不安を微塵も
感じさせない、ワクワクする展開。
ただただ堪能。

沖仁さんが弾き出す音世界に、
渡邊荀之助さんの能楽の舞が絡む。

能楽のことにはまったく無知蒙昧なだけに、
数々の所作がどんな意味を込めて表現されて
いるのかなどは皆目見当つかないけれども...

なんと言ったらよいのか、何に喩えたものか、
1か月経過した今もまだわからないままだけども、
なぜか絶妙にマッチしているように感じられた
ものでした。
ひとつひとつの所作...静かでありながらも
内に激しさを秘めているようにも見えて。

全く異質なはずの両者の表現が見事に融合して
まったく新たなひとつの世界を作り上げているのを
感じました。不思議なことに。
そうとしか言えない。

途中、渡邊茂人さんも舞に加わり、
江野泉さんの空間を切り裂くような横笛が加わる。
恐らく完全に即興の場面もあったでしょう...
互いの呼吸を合わせる一瞬も垣間見えました。

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他では絶対に味わうことのできない、
既成概念を軽々と飛び越えるこの感覚。

常識、枠組み。
そういうものをきちんと備えた上で超えてみせる
挑戦心と新たな世界を切り拓く姿。

古来より、文化というものは、
そのような化学反応を繰り返して
新たな世界を切り開いていって、
それがいつしか伝統になっていく。
それを極めた中から
また新たな化学反応を引き起こして...

そうして連綿と受け継がれていくものなのだと、
そんなことにまで思いを馳せざるを得ない、
今までになかったであろう革新的な感覚を
生み出す瞬間に立ち会った、
そんな感動を得られた素晴らしいひとときでした。

 1時間15分ぶっ通しで休憩なし
 MCやメンバー紹介一切なし
 セットリストなし

それでも、それぞれのパフォーマーの最後の表情。
すべてを物語っていたように感じました。

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終演後も、外には舞い降り積もる雪。
その冷たく澄んだ空気が、肌に触れる雪の粒が。
圧倒的なパフォーマンスを体感した後の興奮には
最高のスパイスに感じられました。

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こんな斬新で刺激的な試みの体験が地元金沢で。
嬉しいことです。
沖仁さんに限らず、これからも興味をもって
見続けていきたいものです。

 

沖仁さんの、比較的親しみやすい響きの動画を
見つけました。お楽しみください。

パッヘルベルのカノン、エリーゼのために
トルコ行進曲などのメドレー。


沖 仁(Jin Oki) - クラシック・メドレー

こちらはモダンでとても親しみやすくて
優しく暖かいフラメンコ。映像も美麗。


サンパブロ通りの天使達 - 沖仁 c./San Pablo - Jin Oki

こちらは名曲「ベサメ・ムーチョ」。
ヴァイオリニスト・川合郁子さんとともに。
切れ味の鋭さと繊細さの絶妙なバランス。


OKI JIN -- Bésame mucho

タブラ奏者との「音の殴り合い」。
音楽の異種格闘技。即興のスリリングさ。
歌モノも楽しめます。後半にはソロ演奏も。
これはおもしろい!
音楽ってホントにいいなあと思います。


ヨルタモリ最終回 U-zhaanと沖仁の殴り合い SMAP 宮沢りえ