Naruki.K's Radio Head

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スロヴァキアのオーケストラ演奏から感じた励まし ~ 2018/06/23 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団(ルドヴィート・カンタさん共演)

生まれ育った故郷・特に祖国を離れて
芸術という手段で表現活動をする人は多くいる

普段、どのような心境で活動しているものだろう
表現していると、どのような感覚になるのだろう

ほぼ地元に居続けていて
これからも地元でという自分には
芸術家でもなんでもないけれども
そういうふうに思うことがよくある

音楽の分野では特にだろうか
日本から異国へ出るほうが
よくある話として目立つように思えるけども

逆に、異国から日本へ来て
生活の拠点としても根を下ろして
活動している人たちも意外といるもので
それほど大きな規模でもない地方都市の
金沢にもそういう人は何人かいる

そのひとり
スロヴァキア出身のチェリスト
ルドヴィート・カンタさん

カンタさんの存在をはっきり知ったのは
せいぜい2年前くらいの話に過ぎないけども

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が
設立されて間もない、28年も前から
楽団員として活動を続けてこられた演奏家
あるとのこと

そのカンタさんが、OEKからは離れたものの
今なお活動や生活の拠点とし続けている金沢で
祖国スロヴァキアのオーケストラと共演

地元で活動する演奏家が祖国のオーケストラと
祖国の象徴と言っていいくらいの曲を奏でること
それを身近に感じることができること

しかも、曲目がすべて好きな曲!

自分にはどんなふうに聴こえるだろうか?
これは必ず行かないといけないという直感が

6月のことで、もうだいぶ前のことだけども
思い返してみた

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1曲目のモルダウスメタナ作曲)
スロヴァキアと同じひとつの国だった時代も
あった隣国チェコを流れる川の流れを表現した
クラシック音楽に詳しくなくとも有名な曲

金沢に来たスロヴァキアのオーケストラは
このときはゆったりとしたテンポで
とても柔らかい響きで祖国の川を描いた

微弱な水しずくの滴りから穏やかな川の流れ
激しく渦巻く急流までもあたたかく描く
弦楽器のやさしく深い響きがとても印象的

 

次の、ドヴォルザークのチェロ協奏曲で
カンタさんがソリストとして登場

低く、力強くうねる大きな流れの背景に
郷愁を誘う民謡調のメロディが前に
さらにカンタさんの渾身の演奏姿に胸が熱く...

この曲はそう何度も聴き慣れているわけでは
ないけれども、カンタさんのソロ演奏には
フレーズに絶妙なタメというか間が感じられて

それをアーティキュレーションと言うのですかね?
メリハリが効いてて曲の表情を捉えやすく感じた

大好きな第3楽章の
ドヴォルザークならではなキャッチーな
民謡調のメロディとラストのたたみかけ
ここ、ツボです...素晴らしかった...

以上の前半は、祖国の風景とこころを
異国の地の金沢に存分に響かせたひとときか

 

後半は、ドヴォルザークの「新世界より
カンタさんがオーケストラのチェロパートへ
(というふうに遠目には見えた...違っていたらスミマセン)

いま現在を力強く進みながらも
ときおりふっと湧き起こる過去への懐かしみ
先々への希望や原点の自信を持ちながらも
交錯する迷いや不安
それを振り切るような思い切り

ラストの第4楽章
あの独特のインパクトある強いフレーズ!
はじまるやいなや胸がいっぱいに

曲の最後に静かに消え入る管楽器の響きまで
曲の流れがこころの中にただただ沁み入って
感涙するばかり

なかなか鳴り止まない万雷の拍手のなか
アンコールには、カンタさんの静かなソロ

そしてドヴォルザークのスラヴ舞曲第8番
明るく、キレよく、豪快な最後の盛り上がりに
とてもすっきりした気分にさせてもらえた

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一度も行ったこともなく
ちっとも詳しくもないような
馴染みのない遠くの国で創られた音楽が
どうしてこんなにがちっとこころに響くのか

いろいろなものがあるだろう
なんともまとまりきらないが

生まれ故郷の地元を離れることこそないにしても
あらためて新たにがんばり続けようという節目の
直前の状況にあった、このコンサートを観た時点の
自分自身を、音と曲で支えてもらえた
それだけは間違いない

異国の地を第二の故郷として
身近な地元を拠点に活動し続ける
世界的にも高名なチェリスト・カンタさんが
祖国に生きるオーケストラともに演奏する
このときの渾身の演奏姿をみて
引き続き故郷の地元でがんばっていこうと
いう勢いをもらえた感じがした

 モルダウ
 ドヴォルザークのチェロ協奏曲
 新世界より

これ以上ない曲の組み合わせではないか?

このときにこの公演に触れられたのは
単に、好きな曲を生演奏で聴いてきたという
だけでは収まらない、それ以上の意味と重みを

これからときどきこの3曲を聴いたときには
じわじわと感じ続けていくのかも知れない